2019 Fiscal Year Research-status Report
Personalized optimization of interatrial shunt device to prevent heart failure
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19K20690
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
西川 拓也 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 流動研究員 (50823861)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 心房間シャントデバイス / 心不全 / 血行動態予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全を予防する心房間シャントデバイスの個別最適化システムの開発は、近年開発された心房間シャントデバイスの血行動態的な効果を事前に予測し、個別患者ごとのデバイス選択の最適化を目標とする研究である。 心房間シャントは、心不全患者にて左房から右房に血液が流れることにより、左房圧の上昇を抑制する効果がある。近年経皮的に心房間シャントを作成するデバイスが開発され、臨床試験において、運動時の肺動脈楔入圧の上昇抑制効果・運動耐容能の上昇効果が示された。しかしながら、効果は患者ごとに違うものの、一律に同じシャントサイズのデバイスを植え込むのが現状である。そこで申請者らは個別患者において最適なシャントサイズを決定するために、シャントサイズごとに心房間シャントデバイスの効果を事前に予測する理論を提唱した。 初年度の平成31年度/令和元年度では、提唱理論の妥当性を実証する実験を大動物で行った。犬の正常/心不全モデルを作成し、遠心ポンプを用いて左房から右房へ血流を送ることにより心房間シャントを模擬した。肺血流量、体血流量、左房圧、右房圧を測定し、シャントがない状態から任意のシャント状態における血行動態を予測した。正常/心不全に関わらず、模擬シャント下における血行動態(肺血流量、体血流量、左房圧、右房圧)の実測値は、シャントがない状態から事前に予測した値と精度よく一致した。以上の実験結果より提唱理論の妥当性を実証した。さらに実証モデルを用いてシミュレーションを行い、運動時における肺動脈圧上昇抑制効果もシャントサイズごとに予測できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画において、初年度は提唱理論の妥当性の実証が目的であった。犬を用いて心房間シャントの効果を事前に精度よく予測できることを実証し、計画通りに進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実証した提唱理論をエビデンス化に必要なデータを取得し、論文化し対外的に研究成果を発表する。更に、初年度において心房間シャントは遠心ポンプを用いて、血行動態的に模擬したため、より臨床に近いモデルとして、心房に欠損孔を作成し、提唱理論の妥当性を実証する。また、これまでの臨床試験のデータを合わして、臨床応用における心房間シャントデバイスサイズの適切な決定アルゴリズムを作成する。
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Causes of Carryover |
予定していた予備実験が少ない段階で本実験へと進むことが可能になり、予備実験で予定していた消耗品費を使用しなかったため。
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Research Products
(6 results)