2019 Fiscal Year Research-status Report
てんかん発作による暴走事故ゼロを目指した顔画像解析による異常検知技術の実臨床評価
Project/Area Number |
19K20733
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
伴 知晃 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (40824701)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 眼球情報 / デプスカメラ / てんかん発作 |
Outline of Annual Research Achievements |
病気発症が原因とされる交通事故の中でてんかん発作が最も多く、また重大な交通事故に繋がる可能性が高いと言われている。本研究では、てんかん発作の発症時に現れる特徴的な眼の動きを定量的に分析評価することによって自動車運転中のてんかん発作を無拘束に検知する技術を確立し、安心安全な交通社会の実現に向けた交通運輸技術の向上につなげることが目的である。初年度の取り組みにとしてはまず初めに、Intel社から市販されているデプスカメラ(D435)で得られる画像に対してオープンソースライブラリであるDlib及びOpenCvを組み合わせ、顔と瞳孔とが検出・追跡できるシステムを構築した。構築したシステムをてんかん発作が自動車運転に及ぼす影響を解明するために取り組んでいる研究臨床研究(UMIN000033373)に展開し、実臨床環境下において視線の動きを課題と連動して評価・記録できることを検証した。臨床データを記録し続けることによって、てんかん発作発症前から意識消失に至るまでの異常脳波が伝播していく過程を捉えることに成功した。 臨床データの記録と平行し、視線だけではない眼球情報を捉えるためのシステム改良に取り組んだ。具体的にはデプスカメラの仕様は変更せず、画像いっぱいに虹彩が映し出される接写条件で撮影した画像に関して瞳孔径及び虹彩パターンを捉えられないかを試みた。通常の室内照明下では、虹彩パターンが得られなかったため、赤外線LED照明を追加した。ピントのあった画像においては、虹彩パターンを捉えることはできたものの、体動によってカメラとの距離関係が変わることで、ピントが合わず虹彩パターンを安定的に捉えられるシステムとまでは至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実臨床環境下において視線の動きを課題と連動して評価・記録できるシステムを構築することはできたが、虹彩パターンを安定的に捉えられるシステムとまでは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのデプスカメラでは接写条件下でしか虹彩パターンを捉えることができなかったため、撮影距離が離れても捉えることを目的によりも高解像度のカメラ(1280×720以上)に置き換えを図る。また、これまでのシステムでは用いていなかったレンズを新たに追加し、光量を絞ることで被写界深度を深め、多少の体動があっても虹彩パターンを安定的に捉えることができるシステムの開発に繋げる。
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Causes of Carryover |
当該年度では市販カメラを用いた視線を追跡できるシステムの開発には至り、ハードウェアを変更させず最終目標とする虹彩パターンの追跡するシステム開発に挑戦はしてみたものの、及ばなかった。次年度には高解像度カメラおよびレンズを購入し、新たなハードウェアを構築する予定である。また、システム開発遅延によって海外学会での発表を見送った。
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