2018 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教育支援のための中学校社会科教科書の言語的困難点に関する基礎的研究
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18H05612
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
宮部 真由美 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, プロジェクトPDフェロー (60823383)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 年少者の日本語 / 中学社会科教科書 / 語彙 / 文法 / 教科学習支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,外国籍の子どもなど日本語教育の支援を必要とする中学生が社会科教科書を読むためにどのような言語的な難しさがあるかを文法的な面を中心に研究するものである。中学校教科書の内容は子どもたちの身近な生活を離れたより広い社会・世界のことが扱われ,その内容が書きことばの日本語で述べられる。そのため,教科書の日本語は彼らの初期日本語指導で学ぶ日常会話中心の日本語とは大きく異なっており,子どもたちが教科書を読んで教科内容を理解することには困難がある。本研究では日本語支援を必要とする中学生が教科内容を学習していくことを支援する日本語教材を作成するために,社会科教科書の言語面(特に,文法面)に関する研究を行なうものである。 言語面の分析を進めるため,教科書に書かれている内容をテキスト化し,形態素解析を通じて,語彙や文法に関するさまざまな分析を進める予定であるが,本年度は社会科教科書を扱う4出版社の教科書のうち,3分の2程度のテキスト化が終了した。すべて終了していないが,テキスト化を進めながら,分析の方向性を確認しているところである。また,分析のすすめ方などに対する示唆を得るため日本語指導者や社会科教科を担当する教員へのヒアリングを行うことを予定していた。本年度は2人に行うことができ,ヒアリングで得た内容・情報を鑑み,来年度の研究に活かすことにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析用教科書のデータの整備(テキスト化・校正作業)を依頼するはずだったアルバイト協力者を2名を予定していたが,都合がついたのが1名だったため,作業が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
教科書のテキスト化を終了させ,分析を進めていく。予定としては,全データを形態素解析し,語彙や文法における特徴を取り出す。その後,他教科の特徴と比較しながら,社会科教科書の日本語面の特徴について記述していく。
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