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2019 Fiscal Year Annual Research Report

19世紀イギリス自由教育論争におけるT. H. ハクスリーの教養概念に関する研究

Research Project

Project/Area Number 19K20990
Allocation TypeMulti-year Fund
Research InstitutionSenri Kinran University

Principal Investigator

本宮 裕示郎  千里金蘭大学, 生活科学部, 助教 (30823116)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2020-03-31
Keywords19世紀 / イギリス / 教養概念 / 自由教育論争 / T. H. ハクスリー / M. アーノルド / 知性 / 道徳性
Outline of Annual Research Achievements

当初の計画では、教養概念をめぐって生じた19世紀イギリスの自由教育論争において科学教育を推進する立場にあったT. H. ハクスリーの教養概念を真・善・美と実用性の関係から検討を行う予定であった。しかし、2018年度の研究で関連文献を読み進めるうちに、ハクスリーと論争相手であったM. アーノルドは、J. H. ニューマンやJ. S. ミル、H. シジウィックといった他の代表的な論者に比べて、初等教育から高等教育へと至る学校教育全体の改革を見据えている点、そして、教育現場との密接な関わりからカリキュラム・レベルでの教育改革論を展開している点において、両者が特異かつ対照的な位置づけにあることが見えてきた。
そこで、2019年度の研究では、自由教育論争における両者の位置づけを一層明確にするために、自由教育論争の論点を整理し、代表的な論者と両者の比較を試みた。まずは、教養概念に含まれる知性と道徳性の関係に着目したうえで、「自由教育の理想的な教育内容は何か」、「自由教育は誰のための教育なのか」という2つの問いから、ニューマン、ミル、シジウィック、ハクスリー、アーノルドの自由教育論・教養論を比較・検討し、自由教育論争の再整理を試みた。この検討を通じて、ニューマン、ミル、シジウィックが、エリート教育としての新たな自由教育のあり方を模索したのに対して、ハクスリーとアーノルドが、エリート教育ではない自由教育のあり方を模索したこと、さらに、それぞれの主張のなかで知性と道徳性が異なる関係でとらえられていたことを明らかにした。
ただし、ハクスリーとアーノルドがそれぞれに求めた理念としての教養概念の位置づけは素描できたものの、自由教育論争の全体図をとらえる精緻な検討にはなっておらず、また、両者の教養概念とそれを実現するためのカリキュラムの関連を考察することもできていない。これらを今後の研究の課題としたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 19世紀イギリス自由教育論争の再整理2020

    • Author(s)
      本宮裕示郎
    • Journal Title

      京都大学大学院教育学研究科紀要

      Volume: 66 Pages: 29-42

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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