2019 Fiscal Year Annual Research Report
How assistance from others affect the adaptiveness of cognitive emotion regulation
Project/Area Number |
19K20997
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦野 由平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20828462)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 感情制御 / 対人交流 / 精神的健康 / 文脈 / 適応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,他者からの働きかけが受け手の認知的感情制御や精神的健康に及ぼす影響について実証的に検討することであった。本年度は,昨年度作成した測定ツールを用いて,新たに2時点の縦断調査を1つ,1時点の横断調査を1つ遂行した。また,昨年度の研究成果の取りまとめを行った。 まず,縦断調査では,他者からの働きかけが受け手の認知的感情制御と精神的健康に及ぼす影響について検討した。具体的には,昨年度作成した測定ツールを用いて,2種類の他者からの働きかけが2時点目(2ヶ月後)の精神的健康に与える影響について,オンライン調査により検証した。得られたデータを分析した結果,「注意のサポート」は横断的分析でのみ精神的健康に対してポジティブな影響を示し,「認知的サポート」は縦断的分析でのみポジティブな影響を示した。以上から,働きかけの種類によってその機能や有効性が異なることが示唆された。次に,1時点のオンライン調査を実施し,他者からの働きかけと感情障害に関連する複数の精神的健康指標との関連について検討した。その結果,他者からの働きかけは一部の指標とのみ有意な関連を示した。これまでの調査で得られた結果も踏まえると,感情制御における他者からの働きかけ(サポート)は抑うつなどのネガティブな精神的健康よりも幸福感などのポジティブな精神的健康と強い関連を示す可能性が考えられた。また,これらの調査実施・分析に加えて,昨年度実施した調査で得られた結果に基づき論文を執筆し,国際誌への投稿を行った。
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