2020 Fiscal Year Annual Research Report
強相関ダイナミクスが誘起する非エルミート・トポロジカル物性
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19K21032
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
吉田 恒也 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50733078)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 非エルミート系 / 強相関系 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
光学系や冷却原子系では散逸を導入する事が可能であり、非エルミート物理の研究の舞台となっている。そこでは、通常のエルミート系では見られない特異な現象が数多く報告されつつある。その一例として、エクセプショナルポイントが挙げられる。この特異なバンド構造の発現にはハミルトニアンが対角化不能になる事が効いている。これらの新しい発見の一方で、トポロジカル相の研究で重要な役割をする対称性の効果は未解明であった。
本研究では、エクセプショナルポイントにおける対称性の効果を解析し、対称性に保護されたエクセプショナルリング、エクセプショナルサーフェスという新しいトポロジカル状態を発見した。 これらの新しい状態は平衡強相関系におけるカイラル対称な系での発現や摩擦のある力学系でも観測可能である事を指摘した。さらに、非エルミート・トポロジーに対する結晶対称性の効果も解析し、鏡映対称性に保護されたトポロジーがミラースキンエフェクトという新しい現象を誘起する事も明らかにした。
また、強相関効果はトポロジカルバンド理論では記述できない特有のトポロジカル状態を誘起する事が通常のエルミート系では知られている。しかし、非エルミート系では強相関トポロジカル相の研究はほとんど行われていなかった。本研究ではトポロジカル秩状態の典型例である1/3フィリングのラフリン状態における非エルミート効果を解析し、非エルミート系でもトポロジカル秩序状態がみられる事を実証した。
これらの成果を挙げる事で非エルミート・トポロジカル系の基礎理論の整備に貢献できたと考えている。
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