2018 Fiscal Year Annual Research Report
熱外中性子偏極技術の開発と139LaにおけるCP対称性の破れの増幅率の最終決定
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18H05864
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
奥平 琢也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 博士研究員 (40826129)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | CP対称性の破れ / 複合核 / 中性子偏極デバイス / 偏極中性子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では139Laの偏極中性子吸収反応を測定することにより、139LaにおけるCP対称性の破れの増幅率を決定することを目的としている。本研究には1eV程度の高エネルギー中性子を偏極することができる中性子偏極デバイスが必要不可欠であり、本年度では中性子偏極デバイス : 3Heスピンフィルターの作製環境の立ち上げと作製、および性能評価システムの開発を行った。 本年度では3Heスピンフィルターの作製用真空システムの構築を行い、3Heスピンフィルター作製に十分な真空度(8x10e-8Pa)を達成した。この真空システムを使用し、4つの3Heスピンフィルターの作製した。これらを性能評価したところ、十分長い3He偏極緩和時間をもっていることが判明し、十分実用的な3Heスピンフィルターを作製することができたと言える。加えて、3Heスピンフィルターの性能評価システムとして、周波数掃引型高速断熱通過型核磁気共鳴法を用いた3Heスピン反転システムの開発、電子常磁性共鳴法を用いた3Heスピン偏極度評価システムの開発なども行った。また、中性子ビームラインに3Heスピンフィルターを導入し、3Heスピンフィルターが中性子ビームラインにおいて実用可能であることの実証も行った。これらの結果を元に日米物理学会合同核物理分科会における招待講演をはじめとした国内外における学会に参加し、成果発表を行った。これらの成果から、本年度の目標は十分達成することができたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
時間がかかる3Heスピンフィルターの作製過程、性能評価過程を最適化し、無駄なく進められたため研究を順調に進めることができたと考えている。また、国内外における研究者とのコミュニケーションを緊密化し、開発のノウハウをうまく取り入れたことも大きな要因と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
十分な性能をもつ3Heスピンフィルターを開発することができたので、次年度からは3Heスピンフィルターを中性子ビームラインに導入し、物理測定を行う。また、その解析を行い、論文にまとめる。加えてさらに性能の良い3Heスピンフィルターの作製も続けていく。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Development of the neutron polarizer for the T-violation search using compound nuclei2019
Author(s)
T. Okudaira, T. Oku, K. Sakai, T. Ino, H. Hayashida, K. Hiroi, T. Shinohara, K. Kakurai, K. Aizawa, H. M. Shimizu, M. Kitaguchi , T. Yamamoto
Organizer
The 4th KMI International Symposium
Int'l Joint Research
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[Presentation] 複合核における時間反転対称性の破れ探索に向けた中性子偏極デバイスの開発2019
Author(s)
奥平琢也, 奥隆之, 酒井健二, 廣井孝介, 篠原武尚, 相澤一也, 猪野隆, 林田洋寿, 加倉井和久, 清水裕彦, 北口雅暁, 山本知樹, 佐藤匠, 新實裕大
Organizer
日本物理学会
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[Presentation] Measurement of the angular distribution of γ-rays from neutron-induced compound states of 139La for T-Violation Search2018
Author(s)
T.Okudaira, H.M.Shimizu, M.Kitaguchi, K.Hirota, C.C.Haddock, I.Ito, T.Yamamoto, S.Endo, K.Ishizaki, T.Sato, S.Takada, J.Koga, T.Yoshioka, T.Ino, K.Asahi, T.Momose, T.Iwata, K.Sakai, T.Oku, A.Kimura, T.Nakao, M.Hino, T.Shima, Y.Yamagata
Organizer
International Workshop on Particle physics at Neutron Sources
Int'l Joint Research
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