2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel treatment for osteonecrosis of femoral head by balloon femoral head plasty
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18H05958
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 郁介 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (40822812)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 大腿骨頭壊死 / 骨頭形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腿骨頭壊死症は本邦の指定難治性疾患の一つであり、大腿骨頭の一部が血流の低下による壊死が起こることで大腿骨頭の圧潰を来し、疼痛により日常生活に大きな支障をきたす。本疾患の問題点としては比較的若年者に発症することで約半数において両側の股関節に発症する。大腿骨頭壊死に対する新規治療法としては国内では骨髄血移植、線維芽細胞増殖因子など再生医療を用いた報告が近年では比較的多く散見される。一方で医療用セメント及びバルーンを使用した治療として代表的なものとしては脊椎圧迫骨折の偽関節に対するballoon kyphoplastyであり、その安定した治療成績から世界中で広まっている。我々はこの技術を大腿骨頭壊死において応用することで比較的低侵襲に骨頭の圧潰を予防できる可能性があると考えた。 平成30年度の期間の間に5個程度の大腿骨頭形成を行った。圧潰早期の大腿骨頭に関してはバルーン形成により球型回復が得られる症例も認められた一方で圧潰から時間経過している症例では球型回復が困難な症例も認められた。またバルーン形成に関してもかなりの強度が必要であり、バルーン部での故障が起こったため、症例検討や処置時の工夫が必要と思われた。良好なバルーン形成が施行できた症例に関してはX線学的にな球型回復率は5%程度得られていた。現状ではマイクロCTでの3次元的な球型回復率の評価やメカニカルテストなどを行う予定としている。 その他に追加の研究として過去に治療を行った大腿骨頭壊死骨頭の病理学的な評価も行っており、血管柄付き骨移植、大腿骨頭回転骨切り症例を主に対象とした。病理の結果、大腿骨頭回転骨切り術に関しては一部骨のリモデリングを認める壊死領域が認められた。一方で血管柄付き骨移植では移植した腸骨は長期的な経過においても骨頭骨へのリモデリングはあまり認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト大腿骨頭を獲得するためには大腿骨頭壊死患者に対する人工股関節全置換術の症例がある程度存在することが前提条件である。その点に関しては前年は比較的症例が少なかったことからヒト大腿骨頭壊死の供給が不十分であり、遅れてしまった。また大腿骨頭壊死を発症してから長期の時間経過をしている症例に関しては圧潰部が変形した状態で骨癒合している場合や骨硬化が著しく強い症例も多く存在するため、そのような症例に対しては本法の適応が困難である。引き続き、骨頭の圧潰が早期で本法により圧潰の修復可能と考えられるようなヒト大腿骨頭壊死を確保し、研究を継続していきたい。動物モデルに関してはヒト大腿骨頭での結果が安定したら移行を検討しているが状況によってはもう少し大きいモデル動物での検討が必要かもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、積極的に大腿骨頭壊死を獲得し、本法の有効性を評価していきたい。またモデル動物の作成にも引き続き注力し、可能であれば当初の予定よりも大きな動物でできるよう検討していきたい。
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Research Products
(2 results)