2019 Fiscal Year Annual Research Report
農業副産物を有効活用した環境親和性を有する多孔質緑化基盤材の開発
Project/Area Number |
19K21162
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
阿部 由麻 (島本由麻) 北里大学, 獣医学部, 助教 (70826601)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | アコーステック・エミッション / 稲わら |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,農業副産物である「もみ殻」や「稲わら」を活用し,多孔質構造を有する新たな環境親和型材料を提案するとともに,AE(Acoustic Emission)法を用いた植物の生理反応の評価手法を構築することを目的とする. 2019年度においては,AE法を用いて植物起源弾性波の検出に基づく植物生理状態(水ストレス状態)の非破壊計測法の開発を進めた.植物起源弾性波は道管内の気泡運動に起因すると考えられているが,十分には検証されていない.また,植物起源弾性波の中でも水ストレスに起因するAEを特定できていない.本研究では,気泡運動方程式から理論周波数を推定し,実測値と比較することで植物起源弾性波が気泡運動に起因するか検証した.加えて,土壌乾燥密度と給水方法が異なる4つの実験ケースを設定し,AE特性への影響を明らかにした.検討の結果,実測値と推定値はほぼ等しくなり,植物起源弾性波が気泡運動に起因することが示唆された.水ストレスに起因するAEは,給水期間中に検出されたAEよりも最大振幅値が小さく,ウェーブレット変換から算出した重心周波数が高かった.土壌乾燥密度が低いケースの方がAEの最大振幅値が大きくなり,重心周波数が高くなることが示された.以上より,最大振幅値および重心周波数に着目すると,水ストレスに起因するAEを判別できることが示唆された. 加えて,稲わら繊維の抽出方法について炭酸ナトリウムを処理する際の温度および濃度条件を変えて検討した.抽出した稲わら繊維において引張強度試験を行い,引張破壊特性から最適な炭酸ナトリウム処理法を明らかにすることを試みた.処理方法によらず稲わら繊維は脆性破壊挙動を示したが,温度および炭酸ナトリウム濃度で引張強度が異なることが示された。
|
Research Products
(11 results)