2019 Fiscal Year Annual Research Report
ウシにおける暑熱環境下での雌生殖器周囲の温度勾配と繁殖性との関連について
Project/Area Number |
19K21167
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 康広 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(農), 特任助教 (90818262)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 暑熱環境 / 卵巣温度 / 子宮温度 / 心拍変動解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では暑熱環境下での雌生殖器の温度維持機序を解明し、世界における暑熱期や暑熱ストレス環境下の繁殖性および畜産生産性の改善に寄与することを目的としている。人医療でストレス評価に利用される心拍変動解析から得られる暑熱ストレス評価値を指標として、生殖器周囲の温度勾配が性周期を通してどのように変化するのか、性周期のどの時期に暑熱ストレスの影響により温度勾配が破綻しやすいのかを明らかにし、また、生殖器周囲の温度勾配と卵胞発育不全、排卵不全との関係を解明しようと試みた。 本年度はデータ収集に重要な実験実施方法を確立し、論文として発表した。膣切開法と左ケン部切開法を併用した温度計の腹腔内臓器留置法を使用し、ウシ3頭を用いて膣温、子宮温、卵巣温を2週間程度観察した。その結果、黄体期の膣、子宮、卵巣は同調した温度変化を示すこと、常に温度勾配が維持されていることが示された。また、排卵時には膣温だけでなく、卵巣温も上昇している可能性が示された。また、暑熱環境下での心拍変動解析では、心拍変動解析の分類にクラスター解析を用いることにより同一環境下でも個体により心拍変動の時系列変化が異なることを示した。また、ストレス環境下ではどの個体も同じような変化パターンを示す可能性が示された。この研究により、心拍変動解析によって侵襲的である血液検査などを行わずに、客観的に個体のストレス量を区別できる可能性を示した。また、この心拍変動解析により、膣温が上昇するときは副交感神経活動が活性化すること、末梢への血流の変化が関連している可能性が示された。
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[Journal Article] Establishment of long-term chronic recording technique of in vivo ovarian parenchymal temperature in Japanese Black cows.2020
Author(s)
Yasuhiro Morita, Riho Ozaki, Akihisa Mukaiyama, Takuya Sasaki, Ryoki Tatebayashi, Ai Morishima, Yuri Kitagawa, Reika Suzumura, Ryoya Abe, Hiroko Tsukamura, Shuichi Matsuyama, Satoshi Ohkura
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Journal Title
The Journal of reproduction and development
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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