2018 Fiscal Year Annual Research Report
摂食抑制ペプチドNesfatin-1含有ニューロンの病態生理学的特性の解明
Project/Area Number |
18H06133
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
齋藤 玲子 産業医科大学, 医学部, 助教 (80525353)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | nesfatin-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食抑制効果の可能性が示唆されているキスぺプチンとnesfatin-1 の関連性の検討を成熟雄性ウィスター系ラットを用いて行い、2018年度に得られた成果は以下の通りである。 (1)代謝ケージを用い、キスぺプチン(6.0μg/rat)中枢内投与し、投与30分後から3時間後まで摂食が抑制されることを確認した。さらにキスぺプチン投与30分前にnesfatin-1 のアンチセンスを脳室内に前投与すると、摂食抑制効果の消失を認めた。 2)キスぺプチン中枢内投与後、灌流固定を行い視床下部及び延髄を採取し、前脳から延髄までの切片を作成し、免疫組織化学的染色法を用いてFos タンパクおよびnesfatin-1細胞の発現を検討した。その結果、SON、PVN、ARC、DR、LC、NTSにFos陽性nesfatin-1細胞を認めた。 3) 次に、オキシトシンとの関連性を検討するため、キスぺプチン(6.0μg/rat)中枢内投与し、免疫組織化学的染色法を用いてFos タンパクおよびオキシトシン細胞の発現を検討したところ、SONおよびPVNでFos陽性オキシトシン細胞を認めた。 4)オキシトシン受容体アンタゴニストを前投与し、キスぺプチンを中枢内投与すると、投与1時間後まで、摂食抑制効果が減弱した。さらに、オキシトシン受容体アンタゴニストを前投与しキスぺプチンを中枢内投与すると、OXT受容体アンタゴニスト前投与にてARCのFos陽性オキシトシン細胞が減少した。つまり、SONやPVNのオキシトシンニューロンがARCのネスファチンニューロンを活性化し、摂食抑制を引き起こしたとが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通りに実験は進んでいるが、ニコチンとnesfatin-1との関連性についてまだ研究できておらず、やや遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
摂食抑制効果のあるニコチンとnesfatin-1 の関連性について成熟雄性ウィスター系ラットを用いて行う予定である。 また、摂食抑制効果のある病態モデルにおけるnesfatin-1 の脳内の動態変化の検討する目的で、甲状腺機能低下・抑制モデル、Experimentalautoimmune encephalomyelitis (EAE)モデルを作成し、摂食が低下した時点で断頭し、脳を取り出し、同様にnesfatin-1との関連性を検討する。
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