2019 Fiscal Year Annual Research Report
頭皮脳波高周波律動と徐波のCoupling解析による生理機能とてんかん原生の解明
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19K21356
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
飯村 康司 順天堂大学, 医学部, 助教 (30819222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | てんかん / 脳波解析 / phase amplitude coupling / 高周波律動 |
Outline of Annual Research Achievements |
てんかんの焦点診断に有用なバイオマーカーとして、脳波の80Hz以上の高周波律動であるHigh Frequency Oscillations (HFO)に加えて、異なる周波数帯域の脳波が相互に関連性を持つcouplingが注目されているが、HFOや徐波の発生機序や病理学的診断との相関が不明である。そこで、これまでに申請者は、HFOや徐波と病理診断との関係を調べるため頭蓋内電極から得た脳波解析を行い、病的なてんかん性HFOは3-4Hzの徐波とcouplingすることを明らかにした。その結果を踏まえて本研究では、脳波異常の発生機序解明のために、世界で初めて非侵襲的検査である頭皮脳波にて、HFOと徐波のcouplingを解析し、病理学的診断との相関を解明することを目的とした。本研究により、非侵襲的な頭皮脳波による焦点診断が可能となり、頭蓋内電極留置による侵襲が軽減できるだけでなく、投薬や外科治療介入の最適化が可能となり、難治性てんかん患者の発作予後改善に大きく寄与することが期待できる。 現在、順天堂大学てんかんセンターを受診したてんかん患者の発作間欠期頭皮脳波を用いて、HFOおよびHFOと徐波のcouplingを解析した。申請者が、これまで頭蓋内脳波にて開発した手法を、頭皮脳波に応用する。頭蓋内脳波および頭皮脳波を用いたてんかん性HFOに対するcoupling解析の精度を比較検討している。 難治性てんかんを認めるSturge-Weber症候群に対して、脳梁離断術および後方1/4離断術を施行し、発作が消失した症例における頭皮脳波を用いたHFOおよびcoupling解析を行い、そそれらが、てんかん外科術後の発作予後予測biomarkerになりうることを示唆した。同内容をClinical Neurophysiology誌に発表している。また、国際学会や、国内学会で発表している。
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