2019 Fiscal Year Research-status Report
UVA活性リボフラビン架橋法による根面う蝕の再石灰化治療法の開発
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19K21379
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上村 怜央 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10823560)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 象牙質 / 再石灰化 / 光増感剤 / 根面う蝕 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、高齢者の保有歯数の増加に伴い、根面う蝕の増加が問題になっている。これを予防、進行抑制することが歯科臨床での極めて重要な臨床課題である。申請者らはこれまでに、光増感剤であるリボフラビンと紫外線の併用(UVA活性リボフラビン架橋法)により、象牙質コラーゲンの分子間・分子内架橋の新たな形成を促進し、ミネラルの流出を防ぐことで、根面象牙質の脱灰を抑制することを発見した。そこで本研究では、UVA活性リボフラビン架橋法に加えて、フッ化カルシウムおよびリン酸カルシウムを複合的に作用させることにより、う蝕のさらなる進行を抑制し、またう蝕により失われた無機質を新たに歯に取り込むことで積極的に再石灰化を目指すという、新たな根面う蝕抑制法を開発し、高齢者の削らないう蝕治療を実現することを目的とし、まず活動性根面う蝕を想定した象牙質試料の作成にあたり、ヒト抜去大臼歯の歯根から象牙質試料を採取し、試験面以外をワックスにて被覆したのち、脱灰溶液(酢酸、CaCl2、KH2PO4、pH5.0)に3日間浸漬し、象牙質う蝕を模倣した脱灰病変モデルの作成に成功した。そのモデルを用いた試料にUVA活性リボフラビン架橋法を実施し、pH7.0の再石灰化液に浸漬させることにより、走査型電子顕微鏡像において石灰化物の析出を検出、そして象牙細管の開口度の差異を明らかにし、再石灰化の促進を視覚的に確認されることを昨年までに明らかにしてきた。 そして本年度においては、さらなる成果を発展させるべく、試料の脱灰および再石灰化前後におけるマイクロCT画像撮影を行った。そして、析出した石灰化物の元素分析を実施し、象牙細管内にはリン酸カルシウムを主成分とする組織の沈着を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以前の災害によるマイクロCT装置の損傷により、これまで確立してきた解析方法の変化を余儀なくされたことにより、当初の予定通りにミネラル密度の解析が困難となっている。また、元素分析においても、象牙細管内の石灰化物という超微細構造を捉えることに難航したため、やや進捗が遅れている。そして、新型コロナウィルスの影響により、発表を予定していた国際学会が相次いで中止となり、成果発表ができずにいる。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロCT装置における、安定した新たな解析方法の確立によって、象牙細管の変化によるミネラル密度の差異を定量的に評価を行う。また、再石灰化を促進させる足場となるカルシウム素材の評価を行い、UVA活性リボフラビン架橋法と相乗効果をもたらす材料を決定していく。
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Causes of Carryover |
2020年3月、新型コロナウィルスの影響により、参加を予定していた国際学会が中止となったため、次年度に使用する必要性が生じた。研究遂行上、学会参加による情報収集が不可欠のため、2021年3月に代替の学会が開催される際に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)