2021 Fiscal Year Annual Research Report
食支援を受ける摂食嚥下機能障害高齢者の自己評価式QOL尺度の開発とNSTへの適用
Project/Area Number |
19K21433
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
河田 萌生 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30826194)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食支援 / 摂食嚥下障害 / 在宅高齢者 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、摂食嚥下機能障害を有する在宅高齢者が食支援により影響を受けるQOLの構成要素について検討することを目的とする。 【研究成果】「高齢者における食支援」の概念分析結果および食支援を提供している介護福祉士2名へのインタビュー調査結果を統合し、食支援を受ける摂食嚥下機能障害を有する在宅高齢者のQOLの構成要素について分析を行った。概念分析の結果より、家族介護者のQOLの要素も含める必要性が明らかとなり、以下の18項目の要素が抽出された。 身体的側面:「落ち着いて食事ができる」・「食事動作の自立性が向上する」・「家族介護者が食事介助ができるようになる」等の10項目。 精神的側面:「食べる意欲が向上する」・「本人・家族が食支援提供者を信頼している」・「家族介護者の介護負担が軽減する」等の5項目。 社会的側面:「在宅療養を継続できる」・「他者と意思疎通が取れるようになる」・「本人・家族介護者と食支援を提供する専門職との関係性が構築される」 【今後の課題】概念分析の結果より、高齢者への食支援は「地域の食支援体制の確立」を含む支援であることが明らかとなった。そのため、QOLの構成要素として、支援を受ける本人を取り巻く支援体制といった環境要因を追加する必要性が考えられる。今回、インタビュー調査の対象者は介護福祉士2名に留まったため、今後、食支援に関わる地域作りを行う専門職へのインタビュー調査により、その要素を抽出する必要性が示唆される。
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