2018 Fiscal Year Annual Research Report
自閉症スペクトラム障害を有する思春期の子どものレジリエンス・モデルの構築
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18H06397
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
海野 潔美 常磐大学, 看護学部, 助教 (80824242)
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Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 思春期 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
人が生活していく上で感じる困りごとに対処する力の一つに「心のしなやかさを活かした立ち直る力=レジリエンス」がある。 発達障害の一つである自閉症スペクトラム障害(以下ASD)を有する思春期の子どもの困りごとは、思春期特有の心理的混乱に加え、ASDの特性に起因していることが多く、子ども個人の能力や努力の問題だけではなく、生活環境や周囲の支援など社会的要因も加わるため、レジリエンス向上や醸成が難しい対象である。また、疾病や発達特性により、レジリエンスの構成要素が異なるため、ASDの子どもの支援に向けて、レジリエンスの構成要素を明確にすることが必要であると考える。ASDの子どもは、自分でできたことを成功体験としてとらえることが苦手であり、自身のレジリエンスも認識しにくい傾向がみられる。 本研究は、知的障害を伴わず通常学級に在籍する小学5年生から高校生までのASDの子どもと主たる養育者の語りより、レジリエンスに着目し、ASDを有する思春期の子どものレジリエンスの構成要素を明らかにし、醸成のためのモデル構築を目的とする。 2018年度の取り組みとしては、所属施設における倫理審査委員会の承諾が得られるよう準備を行い、2019年1月の審査にて承認を得た。同時期より研究協力施設へのリクルートを開始し、研究協力施設が決定した。 また、研究開始に向け、これまでのASDの子どもにおけるレジリエンス研究の動向を再度文献検討し、合わせて本研究におけるレジリエンスの操作的定義の確立に向け文献検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計画予定よりも所属施設における倫理審査承認まで時間を要した。そのため、研究協力施設のリクルートが遅れ、結果、研究協力者の募集、データ収集などが進められなかった。 現在は、研究協力施設が決定し、研究協力者の募集、インタビューデータの収集に向けての準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究協力施設が決定し、対象施設との今後の研究の進め方に関する説明等の日程調整が終了した。 2019年5月下旬に協力施設の担当者と最終打ち合わせを行い、研究協力者の公募を開始する予定である。2019年6月~10月上旬で協力者へのインタビュー調査によるデータ収集を行い、得られたデータより順次データの処理を進め、同時進行で分析を開始する予定である。 当初の予定より協力者の募集などが遅れているが、公募で集まらなかった場合における研究協力者の選定に関しては、研究協力施設の担当医とも調整ができており、見通しがついているため、サンプルサイズの大幅な変更はなく、今後は計画通りに実行できると考える。
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