2020 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害を有する思春期の子どものレジリエンス・モデルの構築
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19K21476
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
海野 潔美 常磐大学, 看護学部, 助教 (80824242)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 思春期 / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的)本研究では,思春期の中でもその入り口にある、学童期後半におけるASDの子どものレジリエンス構成要素を本人の語りより明らかにすることを目的とする。 (対象・方法)研究対象は、ASDと診断されている普通学校に通学(情緒支援学級の通級を含む)している小学5年生~高校生と、その主たる療育者1名とした。ASDの子どもは13名 主たる療育者はASDの子どもが兄弟を含んでいたため11名であった。半構造化面接を行い、ASDの子どもの面接内容は,自分の癖や特性をどのように受け止めてきたか,生活する中でうまくいかず困っていることとその対処方法,将来の楽しみと不安についてであった。 (結果)小学生(学童期後半)の結果としては、子どもの語りから,Grotbergのレジリエンスの3要素にについて,60のコード,36のサブカテゴリー,10のカテゴリーが抽出され,それらのカテゴリーの内容から,「I AM要因」、「I HAVE要因」、「I CAN要因」の3のコアカテゴリーに集約した。「I AM要因」として【好きなこと】【自分の性格】【苦手だけど好きになったこと】の3カテゴリーが抽出された。「I CAN」要因として、【得意なこと】【頑張っていること】【これから頑張りたいこと】の3カテゴリーが抽出された。「I HAVE」要因として、【友達の存在】【友達との関係性】【こまったときの対処方法】【将来の夢】の4カテゴリーが抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集はすべて終わっており、現在データ分析中である。小学生のASDの子どもと親の分析は終了しており、現在論文作成中である。 本来であれば、すべてのデータの分析が終了し、統合させ、レジリエンスの醸成モデルの検討に入っている予定であったが、分析に時間がかかっており、1/3程度の進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
中学生と高校生のASDの子どものデータ分析と合わせ、その主たる療育者のデータ分析を進めていく予定である。並行して論文作成を行い、小学生から高校生というライフステージを思春期として横断的に概観し、レジリエンスの醸成モデルの検討に入りたいと考える。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により、学会などがWEB開催となったため。
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