2022 Fiscal Year Annual Research Report
足底部への選択的注意が歩行動作にもたらす運動学・運動力学的効果の解明
Project/Area Number |
19K21513
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大古場 良太 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 助教 (30825253)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 足底感覚 / 歩行 / 知覚入力型インソール / 表面筋電図 / 運動感覚 / 運動学習 / 姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
足底の特定部位への感覚入力が動作へ与える影響について検証を進めてきた。令和4年度は検証した突起貼付方法に従い、着地動作における荷重位置の指示が下肢関節や膝関節周囲筋の筋活動に与える影響について調査した。具体的には、大腿二頭筋(外側ハムストリングス:LH)、半腱様筋(内側ハムストリングス:MH)を被検筋とし、①なにも意識せず着地させた通常条件、②「膝とつま先が真っ直ぐ向くよう意識して着地してください」と口頭指示のみ付与した条件、③足底感覚入力(突起貼付)のみの条件、④口頭指示と足底感覚入力を併用した条件の計4条件を設定し、併用条件では突起を左足底の母趾球と小趾球に痛みなく知覚可能な位置に貼付したうえで「二点の突起を同時に踏むよう」着地を指示した。計測は高さ30cmの台から前方の目印に向かい、片脚で着地させた。各筋の%MVCを求め、接地時からそれぞれ100ms前後の大腿二頭筋,半腱様筋の筋活動比(LH/MH比)比較した。結果として、足底感覚条件や併用条件においてLH/MH比は減少傾向にあったが、接地前後ともに有意差は認められず、介入の即時的要因と突起貼付位置の調整が必要であることが考えられた。今回は突起位置を母趾球と小趾球の二点に設定したことで着地時の感覚が得やすい母趾球方向への荷重が優位となり、結果的にKnee-inに対する有意な改善には至らなかったことが推測された。しかし、併用条件でのLH/MH比が減少傾向にあったことから、突起貼付による足底感覚の賦活と課題指示により外側ハムストリングスの筋活動を減少させる可能性は示された。これは外側ハムストリングスの過活動による下腿外旋がKnee-in肢位の原因とする先行研究から考えると、改善の可能性を示唆する結果といえ、今後介入時間の延長や突起位置の設定を改変することで、より効果的な動作指導となり得ることが示された。
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