2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of multi-dimensional statistical shape model for heart describing both cardiac deformation and inter-individual differences of cardiac shape
Project/Area Number |
18H06480
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮内 翔子 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (40828555)
|
Project Period (FY) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
Keywords | 多元心臓統計的形状モデル / 心臓MRI / 動的心臓モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
動きのない静的臓器に対する定量的記述法として,統計的形状モデル(Statistical Shape Model: SSM)が既に確立されている.一方,動きのある動的臓器における,臓器自身の変形まで考慮した記述法はこれまでない.そこで,申請者が有するSSM構築法を拡張することで,臓器形状の個体間差のみでなく,動的変形まで考慮した,新しい動的臓器の定量的記述法の構築を目指している.これを実現するため,動的臓器の中でも特に動きが複雑な心臓を対象として,平成30年度は,1) 心臓モデルの構築および2) 時系列を考慮した統計解析手法の検討を行った. 1) 心臓モデルの構築 心臓を構成する右心室・左心室などの領域が協調して動く過程を詳細に解析するためには,心臓全体の変形のみでなく,各領域の変形についても個別に解析する必要がある.そこで,UK Biobankから取得した心臓MRIを用いて,内部構造(=右心室・左心室心内膜・左心室心外膜)-心臓全体の階層構造で表された表面モデルとして,心臓モデルを記述した.この心臓モデルを,心周期内の50時刻においてそれぞれ作成し,この50個の心臓モデルの集合を,ひとつの動的心臓モデルとした.平成30年度中に,同じメッシュ構造で記述された293名分の動的心臓モデルを構築済みである. 2) 時系列を考慮した統計解析手法の検討 心周期内の動きを時系列に沿って滑らかに記述する,心周期SSMを構築するため,時系列を考慮した形状の統計解析手法の検討を行った.左心室と右心室からなる心臓の動きは非常に複雑であるため,単純な形状の統計解析手法であるGaussian Process Latent Variable Modelsを適用しただけでは,時系列を考慮した形状解析は困難であることを確認した.平成31年度は,構築した動的心臓モデルに適した統計解析手法を,引き続き検討する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UK Biobankから心臓データを取得するための審査に想定以上の時間を要し,心臓データを用いた統計解析手法の検討の開始が遅れたため.UK Biobankから取得した心臓MRIを用いた,心周期内の各時刻における心臓モデルの構築については,概ね予定通り完了している.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では,心臓をボリュームモデルとして記述する予定であったが,心臓形状の複雑さのために手法の構築が遅れる可能性があるため,まずは心臓の表面モデルを用いて,手法の構築を優先的に行うこととする.具体的には,平成30年度に構築した約300名分の動的心臓表面モデルを用いて,平成31年度は以下の研究を行う. 1)心周期SSM構築のための時系列を考慮した統計解析手法の構築 従来のSSMは,形状の多様性のみに着目して統計解析が行われており,時系列に沿った変形は考慮されていない.時系列を考慮した単純な形状の統計解析手法としては,Gaussian Process Dynamical Models(GPDM)が挙げられる.このGPDMを,複雑な形状を持つ心臓にも適用できるよう拡張することで,心周期SSM作成のための時系列を考慮した統計解析手法を構築する.そして,ここで得られた成果をまとめ,国内外の学会で発表する. 2) 多元心臓SSM の構築 i. 心周期SSM 間の対応付け:心周期は5 つの期間に分けられ,各期間の長さには個体差がある.同じ期間における形状同士を解析するためには,心周期SSM 間を心周期に関して対応付ける必要がある.各期間の始点は,左心室の体積変化などから求められる.そこで,心臓を構成する各組織の体積変化と心周期SSM を融合することで,個体ごとの各期間の長さを自動的に求め,心周期SSM 間を心周期について対応付ける手法を構築する. ii. 各時刻におけるSSMの構築:対応付けられた心周期SSM を用いて,各時刻tにおけるSSMtを構築する.心周期内におけるSSM1~SSMTの集合を,最終的な多元心臓SSMとする.そして,ここで得られた結果をまとめ,国内外の学会で発表する.
|