2020 Fiscal Year Research-status Report
Spontaneous ideological escalation without leaders as a distributed socio-dynamical process
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19K21571
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐山 弘樹 早稲田大学, 商学学術院, 教授(任期付) (30345425)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 意見の極端化 / 社会ネットワーク / 情報通信技術 / 数理モデル化 / 機械学習 / データサイエンス / 複雑系 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナの国際的蔓延のため,研究の進行に影響が生じた.具体的には,研究代表者が夏季期間に来日し所属研究機関(早稲田大学)にて研究補助を雇用しデータ収集・解析を行うという当初予定が実現できなかった.一方,これも新型コロナの影響で,低コストで国際的に成果を発信できる機会が大幅に増加した.そこで2020年度は,研究成果の発展・出版・発表に重点を置き,実社会データの収集・解析は海外の外部研究協力者に委託して進めた. 研究成果の発表については,意見の極端化に関する偏微分方程式モデルとエージェントベースモデルの2つのモデルについて以下の発表機会を得た:国際会議基調講演2回(1回は2021年秋の予定),招待講演4回(1回は2021年5月に実施),国際ジャーナル論文1本,国際会議プロシーディングス論文1本,国際会議口答発表3回,国際会議ポスター発表1回 実社会データの収集と解析については,米国ビンガムトン大学の Mohammad Khasawneh 教授に協力を仰ぎ,時間的に変化する実社会ネットワークデータの収集と解析を委託した.その結果,米国右派に人気の Gab と Parler という2つの SNS における時系列ネットワーク及びそこでやりとりされた意見のデータを得た.また,ビンガムトン大学にて実施された被験者実験に基づく集団意思決定のデータについても提供を受けた.双方のデータを解析した結果,極端な意見・アイデアは中庸なものよりも多くの反応を得やすい,という興味深い知見が得られた. また,理論モデルの挙動をより深く解析するため,エージェントベースモデルのパラメータ走査領域を従来の約7.6倍に広げた大規模な数値実験を実施した.複数パラメータ間の非線形相互作用をニューラルネットを用いて近似し,社会全体の挙動が個人レベルの挙動にどのように影響されるのかについてより詳細な洞察を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように,新型コロナウイルスの影響により,特に実社会データの収集・解析の面で遅れが生じたが,海外の外部研究協力者に委託することでデータ収集についてはおおかた完了し,現在収集されたデータを解析する作業を行っている段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,これまでに収集を達成した実社会データ(ビンガムトン大学によって実施された被験者実験に基づく集団意思決定・アイデア生成・遷移のデータ,およびソーシャルメディア上での意見の極端化過程のデータ)を,機械学習とネットワーク解析を用いて詳細に分析し,そこから得られる研究成果について精力的に出版・発表する予定である.また理論モデルの挙動のより深い解析についても適宜出版・発表を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの国際的蔓延のため,研究の進行と形態に変更が生じたのが主な理由である.翌年度に研究補助の雇用経費・論文の出版費用等に使用し,研究の推進と成果の公表を推進する予定である.
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Research Products
(13 results)