2020 Fiscal Year Research-status Report
苦味受容体と解毒酵素の多型解析と医療ビックデ-タによる発がんリスク評価法の開発
Project/Area Number |
19K21575
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 憲明 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70250800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 明人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00241646)
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (10125560)
西岡 貴志 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50641875)
佐藤 しづ子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60225274)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 苦味受容体遺伝子 / 解毒酵素 / 遺伝子多型 / 発がんリスク |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ブロッコリーなどのアブラナ科植物の摂取量が多い集団では、肺がんや乳がんの発症率が低いという疫学調査が報告され(Cancer Epidemiol. Biomarks Prev.18, 184-195, 2009)、アブラナ科植物に含まれる苦味物質(isothiocyanate類)の発がん抑制作用が明らかになった。そこで、本研究では消化器がんを有する患者を対象とし、官能検査やアンケート調査、苦味の嗜好に関連する苦味受容体遺伝子や肝臓解毒酵素遺伝子の一塩基多型(SNPs)解析を行い、苦味感受性と肝臓解毒酵素に関する発がんリスクを明らかにすることを目的とした。方法として、消化器がん患者約100名(食道がん・胃がん・大腸がん各30名+α)の DNA(頬粘膜から採取)を用い、生活習慣病と関連のある苦味受容体 TAS2Rs(25種類)および肝臓解毒酵素 GSTs(3種類)の遺伝子多型を解析し、苦味物質応答に関するTAS2Rsの遺伝子多型とアブラナ科植物成分のGSTsの遺伝子多型との関連性を検討することとした。 2020年度は新型コロナ感染症のため被験者の頬粘膜からのDNA採取は全くできなかった。そのため2019年度同様、苦味受容体(TAS2R)の遺伝子変異が食行動や栄養摂取量などの嗜好性、および生活習慣病などの疾患に対する罹患率に及ぼす影響について検討した。東北メディカル・メガバンクのリファレンスパネルから抽出した食生活習慣アンケートとTAS2R の一塩基多型(SNP)データを検討した結果、TAS2R38のSNP(AVI/AVI, AVI/PAV, PAV/PAV)が喫煙や飲酒頻度等に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年6月に計画していた関係学会参加による情報収集および成果発表(トロント)が新型コロナ感染症のため中止せざるをえなかった。また、東北大学病院の規定により被験者の頬粘膜からのDNA採取は全くできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
消化器がん患者が外来受診できるようになり次第、DANサンプリングを開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響で成果発表や情報収集および被験者からのサンプリングが殆どできなかった。新型コロナ感染症が落ち着き次第、サンプリングおよびデータ解析を再開し積極的に成果を発表する。
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[Book] 口腔内科学2020
Author(s)
佐藤しづ子、庄司憲明、笹野高嗣
Total Pages
6
Publisher
永末書店
ISBN
978-4-8160-1372-0