2020 Fiscal Year Research-status Report
景観解析による疾病媒介蚊対策のための局地的リスク評価
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19K21673
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
駒形 修 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (20435712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米島 万有子 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (20733281)
葛西 真治 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 部長 (80332360)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | GIS / 生物調査 / 機械学習 / 疾病媒介節足動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、これまで自ら行った多くの野外調査の記録(採集記録、地図、航空写真、現場写真等)の整理を行い、データを解析できるように準備を整えつつ、解析手法の開発を行なった。具体的には、蚊の捕集数を採集場所周辺の地図、航空写真、その他気象データ等を検討し、機械学習で使用するためのデータの検討および、もちいるデータのクリーニングを行った。 開発は主にコンピュータ言語Pythonを用いた。解析する画像(地図、写真など)はテンソル化され独立変数となり、また蚊の捕集成績(年次、季節変動等が補正された成績)は従属変数とみなせる。画像、特に写真は撮影時の時間帯や天候により全体の明るさや色合いが各々異なるので、標準化が必要であるが、蓄積したデータをもとに標準化を行い、撮影日時や天候による画像(写真)の明暗などを一定にするよう調整し、解析に使用できるようにした。また、解析の元データをいわゆる「水増し」するための処理を行うプログラムを作成した。このような画像処理は、大変時間を要するため、通常のPCで行うと開発が滞る。そのため、解析するワークステーションにGPU(Graphics Processing Unit)を増設し、プログラムの処理で可能な部分をGPUで処理するように書き直した。これによりプログラムの処理時間が大幅に短縮され、開発効率が大きく向上した。 今後は、現場写真と地図を総合的に判断してリスクを算出できるようにプログラムを改良予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響で新規の野外調査はできないものの、過去の野外調査データの蓄積は豊富であり、計算に必要なソフトウェアの整備なども順調であり、概ね順調にすすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
写真の他、地図画像に関しても利用できるように開発を続ける予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により野外調査に制約を受けたので、これまでに収集した野外採集データの解析作業の割合が多かったため、差が生じた。これは研究の進行状況により次年 度以降に状況に合わせて行う予定である。
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