2020 Fiscal Year Research-status Report
経済実験における研究知見の再現性と頑健性に関する検討
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19K21701
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
犬飼 佳吾 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (80706945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 友哉 明治学院大学, 経済学部, 准教授 (70706928)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 行動経済学 / 実験経済学 / 再現性 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年心理学研究の追試実験から、研究論文として報告されてきた知見や現象の再現率が想定よりも低いことが報告され、研究者コミュニティーならず一般社会においても大きなインパクトを与えている。周辺領域におけるこうした流れを受け、経済実験研究でも追試研究が行われ、その再現率は6割程度であったことが報告されている。実験経済学研究の再現率は、心理学分野に比べて高かったものの、主要誌に掲載されている知見の4割程度は再現できなかったという点は見逃すことが出来ない。 本研究課題では、行動経済学、実験経済学分野における主要知見について、大学生を対象とする追試に加えて、一般人市民を対象にも同様の追試し、同時に、実験報酬単位、実験プラットフォーム(実験室実験、web実験)の違いという観点からの検証も同時に行い、行動経済学・実験経済学分野の研究知見の頑健性の検証を通じて、同分野の基礎的手法の精査検討を行う。 このように、本課題はこれまでに蓄積されてきた実験経済学および行動経済学の実証知見の頑健性を実験室実験やウェブ実験を用いて複合的視点から検討するものである。2020年度は、本課題の最終年度に相当する期間であったが、新型コロナウィルス禍にあって、対面による実験室実験、ウェブ実験等の実施に困難が生じた。これを受けて、オンラインによるウェブ実験を中心に予備的検討を進め、次年度以降の実験で用いる理論モデルの検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究概要に記載したとおり、新型コロナウィルスの全国的蔓延に伴い、大学に設置されている実験室で行う予定であった対面実験の実施が困難な状況が発生した。そのため2020年度は、オンラインウェブ実験を中心に予備的検討を進め理論モデルの構築を行い、対面実験実施に向けた取り組みを進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
オンラインウェブ実験による予備的検討を受けて、2021年度は対面実験を再開する。加えて、予備的検討によって構築された行動理論モデルをさらに国内外の人々を対象に大規模なウェブ実験によって検討するとともに、対面実験においても大学生以外の参加者を対象とする実験を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス蔓延に伴い、当初実験計画の予定が変更となったため、使用額に変更が生じた。
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Research Products
(2 results)