2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on facilitation of autonomous in-school lesson study of high-quality
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19K21748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯窪 真也 東京大学, 高大接続研究開発センター, 特任助教 (40609971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白水 始 東京大学, 高大接続研究開発センター, 教授 (60333168)
齊藤 萌木 東京大学, 高大接続研究開発センター, 特任助教 (60584323)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 授業研究 / 学習科学 / 教師教育 / デザイン社会実装研究(DBIR) / 知識構成型ジグソー法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究者がキーパーソンとして直接参与しない形で校内研修における授業研究の質を高める支援方略を明らかにするために、16の県市町教育委員会、約300の小中高等学校が関わる授業改善コミュニティを対象に、授業研究の質を支えるツールやスクリプトの開発、実装、効果検証を行い、授業改善のビジョンや手法といった条件を共有する多様な学校間で活用可能な授業研究支援方略のモデルケース及びその実装における成果と課題を示すことを目的とする。 令和元年度は、過去の研究の成果を基盤に「仮説検証型授業研究」というモデルを開発し、授業改善コミュニティ内の小中高等学校であわせて45回、研究代表者及び分担者がファシリテータ役を務める形で授業研究を実施、モデルの活用方法を示すとともに参加者の発話及び感想を収集した。「仮説検証型授業研究」とは、授業観察の前に授業者の想定する子どもの対話や思考の具体的なイメージ(仮説)を参観者に共有し、その仮説と実際の子どもの対話や思考を比較しながら観察、協議を行うことを核とした授業研究のモデルである。参加者の発話等からは、このモデルによって、研究者の指導助言によらなくても、参観者同士が子どもの学びの事実を基に授業デザイン及び学習についての仮説を見直すような授業研究を支援できる可能性が示された。 今後の課題は、1)発話記録の詳細な分析等によりこのモデルの効果を検証すること、2)学校及び教育委員会関係者との意見交換、研究者をファシリテータとしない形での実施における効果検証を通じてこのモデルを広く実装していくための要件や課題を明らかにしていくこと、3)1)2)を踏まえて連携の授業改善コミュニティに即した本モデルの見直し及び実装のための研修等を含むパッケージを開発、テストすることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度は、授業研究モデルの開発及び授業改善コミュニティ内での小中高等学校でのあわせて45回のモデルを活用した授業研究を研究者がファシリテータとなり実施、参加者の発話及び感想の収集を行うことができた。モデルの開発と試用、データ収集については当初計画を上回るスピード、規模で行うことができた。 他方、令和2年3月8日に予定していた連携教育委員会関係者を招聘してのモデルの活用方法についての研修及び意見交流については、新型コロナウイルス感染症対策のため延期を余儀なくされ、アンケート調査のみに留まっている。この点については、当初の研究計画よりも遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、主に次の2点での研究の推進を行う。一点目は、令和元年度に収集したモデルを活用した授業研究における参加者の発話記録の分析による効果検証である。成果は国内学会での発表、論文投稿を予定している。二点目は、研究者がファシリテータを務めない状態で同様の成果が得られるかの検証及びそれに伴うモデルやツールの見直しである。事前に必要な研修を行ったパイロット校が研究者の支援なしで授業研究を行う様子を観察、参加者、ファシリテータの発話を書き起こしデータ化し、感想と共に分析、効果検証を行う。効果が限定的な場合、ツールとスクリプト及び研修の修正を行うとともに、どのような環境条件で効果を発揮するのかについて条件整理を行う。ただし、二点目の研究については、新型コロナウイルス感染症対策の状況も踏まえて、慎重に実施時期を判断しながら行うこととする。
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Causes of Carryover |
令和2年3月8日に予定していた連携教育委員会関係者を招聘してのモデルの活用方法についての研修及び意見交流のための会を新型コロナウイルス感染症対策のため延期した。それにより招聘旅費及び会の記録の書き起こしのための費用を執行することができなかった。延期とした会は、新型コロナウイルス感染症対策の状況も踏まえて慎重に実施時期を判断しながら実施することとする。
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Research Products
(10 results)
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[Book] 対話力2020
Author(s)
白水 始
Total Pages
296
Publisher
東洋館出版社
ISBN
9784491036724
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