2019 Fiscal Year Research-status Report
'How Woman Live' in Bildungsroman : a comparative sociology of cultural representation.
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19K21761
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40159934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 里欧 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (40566395)
椎名 健人 京都大学, 教育学研究科, 助教 (60838671)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 女性の生き方 / ビルドゥングスロマン / 連続テレビ小説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「女性の生き方」をめぐる表象について、特にビルドゥングスロマンという視点から分析・考察を行うことを目的としている。ビルドゥングスロマンを社会学的な視点からアプローチする研究はこれまでになく、新しく理論枠組の構築を行うと同時に、女性の生き方と成長の一つの表象として、「NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)」を対象として、分析・考察を行うものである。 初年度である本年度は、(1)ビルドゥングスロマンと朝ドラに関する先行研究の検討と、理論枠組と分析軸の設定 (2)朝ドラ視聴に関する質問紙調査及びインタビューの設計と実施 を主に行った。(1)については、研究会(3回)において、共通の視点と分析軸について検討した。具体的には、*ビルドゥングスロマンの系譜、*成長物語としての朝ドラの特徴、*朝ドラにおける女性の社会関係の特徴、*朝ドラの機能、*メディアとしての朝ドラの特徴などについて、それぞれ報告し、相互に検討を行った。(2)については、(1)で行った分析枠組に沿って調査項目を設計し、調査を実施した。近年の朝ドラ視聴率の上昇という背景と若い女性の視聴について把握するため、20代後半から30代前半の女性視聴者に焦点をあててインタビュー調査を行い、その結果について分析・考察した。 調査の結果については、日本教育社会学会第71回大会(2019年9月12日 大正大学)において共同報告(「ポスト近代社会における『成長物語』―「連続テレビ小説」を手掛かりに」を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた課題については、おおむね予定通りに進んでいる。まず第1の課題(先行研究の検討及び理論枠組・分析軸の設定)については、定期的に研究会を開催し、議論の中で基本的な枠組を共有している。これに基づき、(2)の課題(調査の準備と実施)について、調査項目を設定してインタビュー調査を実施し、その結果について分析・考察を行った。その成果については学会報告(日本教育社会学会)及び各自が論文として発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実績をふまえて、引き続き計画に沿って研究を実施する。その際、インタビュー調査の対象者を拡大して実施するとともに、その結果を加えて分析・考察を深める。さらに理論枠組についても、調査結果をふまえて再検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は概ね予定通りに研究を進めているが、データベース作成にかかる謝金、資料収集旅費等に余裕が出たため、次年度使用額が生じた。次年度は、データベース作成補充と整備、およびインタビュー調査の拡充・実施に費用が必要となるため、次年度計画と合わせて使用する。
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