2023 Fiscal Year Annual Research Report
'How Woman Live' in Bildungsroman : a comparative sociology of cultural representation.
Project/Area Number |
19K21761
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 恭子 京都大学, 教育学研究科, 名誉教授 (40159934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 里欧 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (40566395)
椎名 健人 京都大学, 教育学研究科, 助教 (60838671) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 女性の生き方 / ビルドゥングスロマン / 連続テレビ小説 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「女性の生き方」をめぐる表象について、特にビルドゥングスロマンという視点から分析・考察を行うことを目的としている。ビルドゥングスロマンは、主人公の地理的移動、それに伴う出会いや困難、その乗り越えと成長を描く物語の総称である。本研究では、ビルドゥングスロマンを社会学的な視点から分析するための新しい理論枠組の構築と同時に、特に女性の成長物語という視点を軸に、具体的な対象として「NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)」を取り上げて、分析・考察を行うものである。 最終年度の本年度は、これまでの知見を総合的に整理し、論文としてまとめる作業を行うと同時に、海外研究者とのディスカッションを通して、より広い視野から研究を展開するため国際シンポジウムを実施する方針を決めた。 研究期間全体においては、(1)ビルドゥングスロマンの系譜の整理(2)成長物語としての朝ドラを分析する視点の設定(3)朝ドラ視聴者のインタビュー調査の実施(4)朝ドラ制作者へのインタビュー調査の実施を通して、(5)朝ドラにおける女性の成長の特徴を抽出し、男性を中心とするこれまでのビルドゥングスロマンとの違いについて考察した。特に、成長にとって他者との関係やネットワークの形成とそれをベースとした自立が核になっていること、視聴者にとっては主人公の成長を見守ることで自らの仕事や生活を肯定的に見直す(温める)機能を持っていることなどを導き出した。(6)これらの知見を整理して論文としてまとめると同時に、(7)国際シンポジウムの企画を進め、今後さらに、欧米型とは異なる成長物語の比較分析という、より広い視点から現代における成長の意味を考察する研究に発展させる土台を作った。
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