2022 Fiscal Year Annual Research Report
Reexamining the expansion of secondary education in Madagascar: the transition from school to work
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19K21766
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤村 信英 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30294599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 千尋 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (60319994)
杉田 映理 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (20511322)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | 国際開発 / 仕事 / 学校 / マダガスカル / 中等教育 / 初等教育 / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アフリカ地域における最貧国の一つであるマダガスカルを事例として、就学から就業への移行(トランジション)について、家庭状況、家族構成、ジェンダー、地域特性等を個別に照合しながら、国際的な潮流となっている中等教育拡大の妥当性を再検討することである。フィールドデータの収集は、海外渡航が制限されるなか困難であったが、2022年度には徐々に再開できるようになり、比較対象として、ケニアにおいて同様の調査も実施した。 このケニアでの研究からは、初等教育最終学年にある子どもでさえ、具体的な職業に対する希望を有しておらず、将来に対する不安というものもないことを示唆している。中等学校への進学を目指し努力が必要なこと、経済的な支援が必要になること(特に保護者による学費の支払い)を懸念している。これは、マダガスカルにおいては、高い教育を受けることが就職の際に有利になるという考え方がほとんどないのに対して、ケニアの高学歴志向は鮮明である。このことは、マダガスカルが農業を基盤とした安定した社会であるのに対して、ケニアでは農業は仕事としての捉え方が希薄であり、それが職業選択に影響を与えていると見てよいだろう。 研究期間全体を通じての成果は、従来の研究が「学校から仕事への移行(School to Work Transition: SWT)」に対して、教育システムの効率性が議論の中心であるのに対して、若者の職業に対する考え方を検討し、SWTにおいて、身近な環境である学校や家庭をどのように活用あるいはそこから影響を受けているかを明らかにできたことである。また、このことは従来のSWT研究の分析を個人から家族単位で行う重要性を示唆するものでもある。
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Research Products
(3 results)