2019 Fiscal Year Research-status Report
図形楽譜アプリケーションを活用した教科横断的表現教育教材及びその演習モデル開発
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19K21767
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
江藤 亮 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (00294182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲矢 史雄 大阪教育大学, 科学教育センター, 教授 (90401611)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 教材開発 / アプリケーション開発 / 演習モデル開発 / 表現教育 / 領域横断 / 図形楽譜 / 美術教育 / 音楽教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大きく2つのフェーズで構成されている。第1フェーズはタブレットコンピュータ用図形楽譜アプリケーション「Graphic Composer for education」改め「サウンドスケッチ」及び「サウンドピクチャー」の開発と配信、第2フェーズはそれらのアプリケーションを活用した表現教育・活動モデルを、幼稚園・特別支援学校・小学校・中学校の各発達段階に向けて開発し、その活用実践事例を公開・発信する。 2019年度の研究活動として、第1フェーズ「サウンドスケッチ」の開発では、幼稚園・特別支援学校・小学校・中学校の幅広い発達段階に対応した表現教育用アプリケーションとして検証を重ねた結果、計画当初の予定に無い大幅な機能の追加(図形楽譜の描画方法の追加、音色の種類の追加、リピート演奏機能の追加)と、それに伴うユーザインタフェースデザインの完全刷新が必要となったため、開発期間が延長され、2020年3月に「Graphic Composer」とは全く異なる新アプリケーション「サウンドスケッチ」としてプログラミング実装が完了した。2020年4月より実際にタブレットコンピュータ上で動作する試作版を限定的に配信し、不具合の検証や機能の実証を行なっている。 また、第2フェーズを見据えた表現教育・活動モデル開発の事前調査では、研究協力者である橋本忠和教授によるコーディネートの下、国立大学法人北海道教育大学附属函館幼稚園、附属函館中学校、はこだてみらい館にて教諭やスタッフを対象とした「サウンドスケッチ」のプレゼンテーション及び教育利用で想定される課題や、授業・ワークショップでの活用方法に関する意見交換を実施し、今後のアプリケーション開発ならびに活動モデル開発に資する情報収集を行った。研究分担者の仲矢は、教育におけるICTの活用姿勢に関する尺度作成(英語)と実施に関する論文執筆を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は「アプリケーションの開発」及び「アプリケーションを活用した試行授業及びワークショップの実施」の2点に於いて遅れが生じている。「アプリケーションの開発」の遅れの主たる要因は、研究計画時に想定していなかった新規機能の追加が必要になり、それに伴う仕様策定やユーザインタフェースデザインの刷新に時間を要した。また、機能の複雑化に伴ってプログラミング作業(外部委託)も長期化を余儀なくされた。当初の計画では2019年11月に「Graphic Composer for education」 として一般に配信され、2019年12月から2020年3月にかけてこのアプリケーションを活用した試行授業やワークショップを複数実施し、それらの効果検証も行われる予定であったが、実際には2020年3月に実機で動作する試作版が完成した。 一方「アプリケーションを活用した試行授業及びワークショップの実施」の遅れに関しては、先述の開発期間の長期化とは別に、2020年3月頃から日本国内において深刻化したCOVID-19による感染拡大が影響している。この為、本来であれば3月8日に予定されていた研究発表会及びワークショップ「感覚をつないでひらく芸術教育を考える会」(https://kankaku.jimdofree.com)が中止になるなど、研究代表者による研究発表活動やワークショップの実施に影響が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は年間を通してアプリケーションを活用した試行授業や表現活動・ワークショップを、幼稚園・特別支援学校・小学校・中学校で実施する予定であったが、COVID-19の再度の感染拡大が懸念される状況下では当面実施できないことが予想される。試行授業やワークショップの実施は、表現教育・活動モデル開発だけでなく、アプリケーション開発に於いても重要な活動となる為、本研究遂行上、深刻な課題となっている。 代替措置として、児童・生徒ひとりひとりが自宅で学べる遠隔授業用表現教材の開発に切り替えて研究を遂行する。ただし、教育的効果の検証方法の策定では更なる検討が必要である。
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Causes of Carryover |
アプリケーション開発期間の長期化やCOVID-19の感染拡大に伴い、予定されていた試行授業やワークショップが実施できず、その為に活動に必要な機材購入や、活動を撮影、記録、編集し、分析するための機器、ソフトウェアの購入も未執行の状態である。また、研究発表活動に伴う旅費、人件費等の支出も無くなった。 次年度では2019年度に実施できなかった研究発表活動やオンラインによる試行授業やワークショップを実施する為の予算執行を予定している。
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