2021 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育におけるキャリア教育と社会正義に関する研究
Project/Area Number |
19K21798
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
前田 信彦 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20222284)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 社会正義 / 社会的公正 / ライフキャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
公共的関わりを追求する「社会正義(social justice)」あるいは「社会的公正(social equity)」を意識したキャリア教育をどのように展開するかについて、理論的にも裏打ちされた学術的研究が求められているといえることを踏まえ、社会正義の要素を含めたキャリア教育の方向性を探ることが本研究の目的である。この研究目的に沿って、2019~2020年度にかけては、主に欧州を中心とする近年の社会正義とキャリア教育に関する研究および実践動向をレビューし、キャリア教育とシチズンシップ教育との関連について包括的な知見の整理を行うとともに、国内の大学生を対象としたアンケート調査を用いて、公共性の涵養や政治的効用感、社会志向性、シチズンシップに関わる諸変数を従属変数としたキャリア教育の効果分析を行った。 このような経過を踏まえて、最終年度となる2021年度は、過年度の文献研究、アンケート調査のデータ分析をベースに、研究報告書に取りまとめた。2021年度の主な研究業績は特に次の3点である。 第一に、学生インタビュー調査のデータを用いて、大学入学後のみならず、それ以前からの学校教育、特に道徳教育、公民教育、ボランティア教育の累積的効果についても質的な分析を行った。第二に、キャリア教育と社会正義の実践に関わる理論的検討を行うとともに、社会正義を志向した新たなキャリア教育の方向性について検討した。また「ライフキャリア教育」の実践的モデルの可能性を検討した。第三に、以上の研究課題への取り組みの一部を、学術誌への論文として公表するとともに、これをベースに科研費報告書として取りまとめた。
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