2021 Fiscal Year Annual Research Report
酵母に見出したプロリン代謝酵素の多機能性の解明と細胞機能の向上への挑戦
Project/Area Number |
19K22282
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 博史 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (50275088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 由起夫 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60252615)
那須野 亮 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (90708116)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 酵母 / Saccharomyces cerevisiae / プロリン資化 / プロリントランスポーター / アルギニン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度にプロリン(Pro)資化抑制因子として見出したアルギニン(Arg)以外の塩基性アミノ酸がPro資化能に及ぼす影響を検討したところ、オルニチンやリジンもProトランスポーターPut4のエンドサイトーシスを誘導することで、Pro資化抑制因子として働くことが分かった。次に、塩基性アミノ酸の存在下でもプロリン資化が可能な変異株の分離を試み、4株を取得した。これら4株の全ゲノム配列を決定したところ、全ての株でArgトランスポーターCan1をコードする遺伝子にアミノ酸置換を伴う変異(Gly434Cys, Leu161Pro, Gly224Cys, Ala379Ile)を同定した。また、これらのCan1変異体を解析した結果、Argトランスポーター活性は、Pro資化抑制の制御と無関係であることが明らかになった。このことから、Can1はArg取込み以外の機能を有することが示唆された。近年、トランスポーターの中で輸送活性以外に外部環境因子の受容体活性を持つタンパク質が報告され、このような受容体様の機能を併せ持つトランスポーターは「トランスセプター」と呼ばれ、炭素源応答の主要制御系であるProtein kinase A(PKA)シグナルをcyclic AMP(cAMP)非依存的に活性化する。そこで、Can1もトランスセプターである可能性を考え、Arg添加時のPKAシグナルの活性化レベルを検討した。その結果、Arg添加によってCan1依存的にPKAシグナルが活性化することが判明した。また、その活性化はcAMP非依存的に起こることが示された。以上のことから、ArgはCan1依存的にPKAを活性化させ、Pro資化抑制の制御を行っていることが強く示唆された。
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Research Products
(12 results)