2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of RNAi system in Plasmodium falciparum
Project/Area Number |
19K22535
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 英造 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (50366762)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | マラリア原虫 / RNAi |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫は複雑なライフサイクルを持ち、多くのユニークな遺伝子配列を持つ。これらの遺伝子がコードする原虫特異的なタンパク質の機能解析は、新規な抗原虫薬やマラリアワクチンの開発等に重要であるが、ほとんど進んでいない。その理由としては、マラリアの病態解明に関わる赤血球期マラリア原虫の遺伝子の機能を探るために遺伝子ノックアウトを行うと、ほとんどの場合で原虫は致死となり、遺伝子の機能の解明には至らない。一方、他分野の研究で一般的なRNAiを用いた遺伝子ノックダウン技術は、マラリア原虫にはRNAiに必須な分子群(RISC)が欠落しているため不可能である。そこで本研究では、人為的にマラリア原虫に恒常的にヒトRISCを発現させ、RNAiが機能するマラリア原虫を作出するというきわめて挑戦的な目標を掲げた。本研究によってRNAi を行うことができるマラリア原虫株を樹立することができれば、遺伝子ノックダウンにおける技術的障壁を取り払うことが可能となり、マラリア原虫の生活環を維持するのに重要な遺伝子を探索することが容易となるため、創薬やワクチンの標的となるマラリア原虫タンパク質を見出すことができる。まず、ヒトのRISCを形成するタンパク質(Ago2, Dicer, TRBP)をコードする遺伝子を、培養熱帯熱マラリア原虫に恒常的に発現出来るようにデザインしたトランスフェクション用のプラスミドの作製を試みていたところ、2020年にドイツのグループからネズミマラリア原虫にAgo2を発現させることでRNAiが機能することが報告された。しかし、熱帯熱マラリア原虫のトランスフェクションシステムは、ネズミマラリア原虫のシステムとは大きく異なるため、この技術を熱帯熱マラリア原虫へ応用するため、これまで熱帯熱マラリア原虫トランスフェクション用プラスミドの構築を継続して試行中である。
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Research Products
(18 results)