2021 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of PDOX mouse model for biliary tract cancer using super-microsurgery
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19K22656
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
八木 真太郎 金沢大学, 医学系, 教授 (60447969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 康二朗 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80378629)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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Keywords | PDOX / 胆道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、2020年度までに行った実験の評価を行った。本研究では、ヒト胆道癌のマウス同所性移植モデルの確立を目指し、皮下移植モデル、胆嚢への移植モデル、肝内への移植モデルを作成してきた。これらの過程で、2020年度末には、肝内には微小な肝内胆管が張り巡らされていることを鑑みて、最も容易な同所性移植モデルとして肝内への腫瘍移植を試みた。肝内への移植は、開腹後に肝を小切開し腫瘍片を留置し切開部を縫合閉鎖および圧迫止血することで可能であるが、手技としては胆嚢への移植に比して容易であった。4匹のヌードマウスの肝内に患者A由来の2回継代後の腫瘍を移植し、2か月後に4匹を犠牲死させたところ、4匹すべて(100%)で肝での腫瘍の生着と増大を認めた。また同時期に同一患者A由来の3回継代後の腫瘍を3匹のヌードマウスの皮下に移植し、2か月後に3匹犠牲死させたところ、2匹(67%)において腫瘍の生着と増大を認めた。血液中の腫瘍マーカー(CA19-9)値は肝内移植群と皮下移植群では大きな差異を認めなかった。肝内移植群と皮下移植群との双方において転移を認めなかった。肝内移植群において転移を認めなかったことは犠牲死の時期が早期であったことが関係している可能性が懸念された。一方で、胆道癌患者B由来の患者検体を用いた移植実験において、胆嚢への移植モデルでは移植後5か月の時点で生着を認めたマウスは多かったが、移植後2か月の犠牲死の際に胆嚢とともに腫瘍が消失し腫瘍の生着を認めないマウスも存在した。技術的に何らかの問題が存在する可能性が懸念された。移植部位における技術的難易度は、皮下、肝、胆嚢の順に容易である。また本実験では少数ながら肝内移植が全例生着していることから、胆道癌組織の肝内移植が容易に実施可能な同所性移植マウスモデルになる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染症のため、倫理審査が遅れたことと、抗体などの入手が遅れ解析が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
進行が遅れているが、患者腫瘍組織を用いた更なる胆膵領域のPDOXを用いて解析予定である。患者由来組織による胆道癌移植が困難である場合に備えて、癌細胞株を用いた研究も同時並行で行なっていく方針である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、抗体などの入手が遅れたことと、附属病院の倫理審査が遅れたため、実験の遂行が遅延しており、次年度以降に使用額が生じた。使用計画は、同意を得られた胆道癌患者の手術検体をPDX,PDOXモデルを引き続き作成すると同時に細胞株を用いた同所移植モデルを作成して、個別化医療を目指し抗がん剤の奏功度合をマウス体内で検討する予定である。
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Research Products
(21 results)