2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒトES細胞をソースにした、変形性関節症治療に特化した細胞製剤の開発
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19K22677
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 学 東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (10803174) [Withdrawn]
森 大典 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (60835354)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 整形外科学 / 細胞製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節の組織幹細胞のルーツを辿る発生学的アプローチ、および各種間葉系幹細胞の発現プロファイル比較を行った。(1)レーザーマイクロダイセクションを用いて、関節発生過程における微小発現解析を行った。特に、Transforming Growth Factor-β(TGF-β)、nuclear factor-kappa B(NF-κB)が関節表層付近で段階的に活性化されることを突き止めた。これらの知見を基に、いくつかの表面抗原を手掛かりにフローサイトメトリーによるを進めている。間葉系幹細胞の比較については、現在、滑膜・骨髄・脂肪由来の3種類の間葉系幹細胞の収集を進めており、一部はRNAシーケンスに提出し発現解析を行っている。滑膜に存在する組織幹細胞は関節形成に寄与した幹細胞と同じルーツを持つと考えられる。またこれらの細胞と申請者らが開発した、二種類の化合物によるヒト多能性幹細胞から軟骨前駆細胞への分化誘導法(2-compounds法)の経時的データと照合し、Wnt, TGF-β, Notch, NF-κB, fibroblast growth factor (FGF)、副甲状腺ホルモン(PTH)/副甲状腺ホルモン関連タンパク(PTHrP)など、軟骨制御における主要シグナルの活性の違いについて詳細に検討している。また複数のヒト多能性幹細胞をベースに2-compounds法に修正を加える検討を行っており、その成果についても今後多角的に検証を行う。また内側半月板、内側側副靱帯を切除することで関節に不安定性を惹起させて変形性関節症を誘導するモデルマウスを用いて関節内投与実験も行い、治療効果についても検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたことはほぼ実行できており、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、詳細な分化誘導条件を詰めた上でモデルマウスを用いた検証を行う計画である。
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Causes of Carryover |
順調に研究が進んでいるため、必要以上に経費をかけずに済んだ。 次年度は in vivoの解析など、次年度以降の経費がかさむ実験に使用する計画である。
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Research Products
(9 results)