2020 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞が制御する骨髄老化機構の解明と造血機能の若返りへの応用
Project/Area Number |
19K22727
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
溝口 利英 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (90329475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊文 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00222612)
荒井 敦 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00532772) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / OPG / レプチン受容体 / 骨 / 間葉系細胞 / 老化 / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢により、骨髄の造血能が低下することが報告されている。理由として、骨髄の脂肪細胞の増加が挙げられるが、そのメカニズムは不明である。これまでに我々は、骨を吸収する破骨細胞が、脂肪細胞の分化を誘導することを見出した。本研究では、破骨細胞の脂肪細胞分化誘導メカニズムを明らかにする。骨髄のレプチン受容体(LepR)陽性細胞は、脂肪細胞に分化する。破骨細胞の分化が亢進するOPG(osteoprotegerin)欠損マウスで、LepR陽性細胞の脂肪細胞への分化が上昇することを見出している。本申請研究において、野生型およびOPG欠損マウス由来のLepR陽性細胞画分をRNAseqで比較したが、脂肪細胞分化に関する遺伝子の変化は認められなかった。血管内皮細胞の比較をしたところ、GO、GSEA解析共に、OPG欠損マウスで血管の分化・増殖が認められた。残念ながら、ここまでの取り組みで、破骨細胞による脂肪細胞分化の制御に繋がる分子の同定には成功していない。一方、骨髄の脂肪細胞分化にはWntシグナルの抑制経路が寄与することが報告されているが、我々は、骨髄の脂肪細胞分化を誘導する分子Xを見出した。分子Xは、Wntシグナル経路を抑制するとの報告もあることから、今後は破骨細胞の脂肪細胞制御機構の解析に加えて分子XがWntシグナル経路に及ぼす作用についての解析も進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
LepR陽性細胞画分のRNAseqの結果、破骨細胞分化の亢進による脂肪細胞分化に関する遺伝子の変化は認められなかった。本年度、抗体アレイ法を用いて、OPG欠損マウスにおける脂肪細胞および血管の分化、増殖促進因子の同定行う予定であったが、緊急事態制限の発令にともなう研究施設の対応により遺伝子改変マウスの繁殖が滞り、当初の予定から大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
①抗体アレイ:野生型およびOPG欠損マウスの骨組織を回収し、抗体アレイにより脂肪細胞および血管の分化・増殖促進因子を同定する。 ②分子Xの脂肪細胞分化誘導作用機序の解明:分子Xの骨髄脂肪細胞分化を誘導する作用機序を明らかにする。分子Xに対する受容体を骨髄のLepR陽性細胞特異的に欠損させたマウスの解析を進める。
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Causes of Carryover |
緊急事態制限の発令にともなう研究施設の対応により遺伝子改変マウスの繁殖が滞り、当初の予定から大幅に遅れてた。そのため、次年度使用額が生じた。以上の資金は、昨年度に遂行予定であった抗体アレイおよび遺伝子改変マウスの解析に使用する。
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Research Products
(10 results)