2019 Fiscal Year Research-status Report
生後早期の母子関係を評価する新規バイオマーカーの開発 -発達障害回避を目指して-
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19K22752
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (30767249)
堀家 慎一 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (40448311)
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60334786)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | 母子関係 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
人と人との関係性の構築は、人間社会で生きていくための基本的な要素である。新生児にとっては、親、とりわけ母との安定的な関係性が、生存や健常な発育・発達のために極めて重要である。新生児期の母子関係を危うくする要因には、産褥期の精神疾患や愛着形成障害等があり、これらは時に、母子の生命の危機や児の発達障害に繋がることがある。母子関係破綻の危機に瀕する母と子を救うには、リスクのある母子を早期に見つけ、適切な支援を行う必要がある。しかし、現在行われている質問票によるスクリーニングは、回答者である母親の思いに左右されるため、回答と実態とが乖離することがある。本研究の目的は、母子関係破綻の危機に直面する母と子の身体に見られる特徴的な変化を明らかにし、新生児期の母子関係を客観的に評価する方法の開発に繋げることである。 本研究では、幼児虐待のモデルとされる母子分離ストレス負荷マウスを用いて、養育環境の悪化が仔マウスに及ぼす変化を検討する。母子分離ストレス負荷には様々な方法が報告されており、マウスに表れる反応も母子分離の方法によって異なっている。令和元年度は、母子分離ストレス負荷の様々な方法の中から、本研究に適した方法の選択を行った。 また、本研究では、出産後の母子を対象とした検討を予定している。ヒト検体を用いた検討について、令和元年度は予備的に、標的となる分子を特異的かつ十分量回収できる方法について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデルマウスや母子を対象とした調査について、予備的な検討を行った。しかしながら、新型コロナウイルスの日本国内での感染が確認され、感染リスクを伴うヒト検体を用いた検討は、実施できない状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では所属機関の方針に従い、構内での研究活動を停止しているが、研究実施が可能な状況となり次第、当初予定していたモデルマウスを用いた検討、ならびに母子を対象とした検討を開始する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大を受け、研究計画の実施が困難な状況にある。そのため、当初予定していた母子を対象とした検討を実施することができなかったため、当該検討に必要な消耗品等の購入や解析を翌年度に変更したことにより、次年度使用額が生じた。今後、研究実施が可能な状況となり次第、当初から予定していた母子を対象とした検討に係る消耗品の購入や解析を中心に使用する予定である。
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