2023 Fiscal Year Annual Research Report
生後早期の母子関係を評価する新規バイオマーカーの開発 -発達障害回避を目指して-
Project/Area Number |
19K22752
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
毎田 佳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (20397219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
堀家 慎一 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 准教授 (40448311)
鏡 真美 (関塚真美) 金沢大学, 保健学系, 教授 (60334786)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Keywords | 母子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
人と人との関係性の構築は、人間社会で生きていくための基本的な要素である。新生児にとっては、親、とりわけ母との安定的な関係性が、生存や健常な発育・発達のために極めて重要である。新生児期の母子関係を危うくする要因には、産褥期の精神疾患や愛着形成障害等があり、これらは時に、母子の生命の危機や児の発達障害につながることがある。母子関係破綻の危機に瀕する母と子を救うには、リスクのある母子を早期に見つけ、適切な支援を行う必要がある。現在日本では、産後1か月の褥婦を対象にエジンバラ産後うつ病質問票によるスクリーニングを実施している。しかし、質問票によるスクリーニングは、回答者である母親の思いに左右されるため、回答と実態とが乖離することがある。本研究の目的は、母子関係破綻の危機に直面する母と子の身体に見られる特徴的な変化を明らかにし、新生児期の母子関係を客観的に評価する方法の開発につなげることである。 具体的に本研究では、産後の母子にご協力いただき、母と子それぞれから採取した検体の解析により、新生児期の母子関係を反映するバイオマーカーを探索する計画を立てた。しかしながら、令和2年度以降、新型コロナウイルスの感染が拡大し、産後の母子を対象としたヒト検体を用いた検討は実施できなかった。また、本研究の計画立案段階では、非侵襲的に採取可能な唾液検体の使用を考えていた。しかし、新型コロナウイルスが感染者の唾液検体から検出されることが明らかとなったため、感染未終息下でもより安全に扱える代替試料について検討した。
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