2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒトとイヌの共生に伴うSocial exerciseの評価とヒト健康への効果検証
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19K22823
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
永澤 美保 麻布大学, 獣医学部, 講師 (70533082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野元 謙作 麻布大学, 獣医学部, 特任助教 (30786976)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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Keywords | イヌ / 共生 / 内分泌 / 腸内細菌叢 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在12ペアの実験が完了している。現時点で、内分泌についてイヌはヒトとの共同生活でコルチゾール値が減少し、ヒトは増加する傾向があった。また、ヒトの感情状態を評価する心理アンケートPOMS2ではポジティブな気分状態を表す活気・活力、友好が高かった。また、生活の質を問う調査票QOL26では多少の変化はあるものの、顕著な変化が見られず一定の評価スコアとなった。そして、腸内細菌叢について、細菌叢構成はイヌ、ヒト共にFirmicutes門が一番多く、次にActinobacteria門、Bacteroidetes門、Proteobacteria門、Tenericutes門の順に構成されていた。細菌種はイヌにおいて譲渡後に増加、ヒトは減少していた。細菌叢の類似性は確認されず、イヌはイヌ、ヒトはヒトの細菌叢をもつことが明らかになった。さらに、イヌの譲渡前の細菌叢とC-barqの行動スコアとの相関を調べたところ、攻撃行動には21種類、不安行動には15種類、そのほかの行動には30種類の腸内細菌との相関がみられた。クラスター分けの結果により、ラクノスピラ科の細菌が複数の行動と関与していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在12ペアの実験が完了している。ヒト、イヌ共に健康の指標となる試料は順調に収集できている。一方、運動活性の同調を調べるためのアプリおよび加速度の解析方法の見直しを行ったため、運動の同調と健康の指標との関連については来年度以降の実施となる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も協力者を募集し、対象ペアを追加する。追跡調査完了後、内分泌や腸内細菌叢、心理尺度などの解析を引き続き行う。また、運動活性のアプリの改良と解析方法が確定したため、2020年度中にヒトとイヌの運動活性の同調の程度を数値化し、心身の健康指標との関連を調査する。
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Causes of Carryover |
アプリの改良の必要が生じたが、開発に時間がかかり、年度内の購入に間に合わなかったため。現在では改良が完了したため、計画には支障はない。
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Research Products
(16 results)