2020 Fiscal Year Research-status Report
ストレッチで中心動脈を柔らかくできるか -実施方法の新規開発と作用機序の検討-
Project/Area Number |
19K22830
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 講師 (10635345)
|
Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
Keywords | 動脈スティフネス / 中心動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、中心動脈スティフネスを改善するためのストレッチ方法の検討を行ったのに対し、当該年度は、ストレッチの刺激で動脈スティフネスが変化するとすれば観察されるであろう、動脈の局所的な変化を定量化するための新規の評価手法を確立するための研究を進めた。特に、2点の検討を進めるとともに、現在、3点目の事項を確立すべく、検討を進めている段階である。 1)動脈壁硬化度と皮膚を含めた局所の硬化度の関連について検討するため、新規高精度センサー(Softgram)を用い、動脈スティフネスと横断的・縦断的関連性の検討を行った。しかし、両者の関連性は高くなかった。 2)超音波エラストグラフィを用いた動脈壁硬化度の評価手法の検討と一過性のストレッチングがこれに与える影響について検討した。この評価を可能にするため、超音波エラストグラフィ機能を有するエコーでも、Shear Wave Elastography機能で特に精度高く硬化度を評価可能なAIXPLORER(SuperSonic Imagine社)を導入し、検証した。その結果、ストレッチを行うと、実施した部位の動脈壁が柔らかく変化する可能性を見出した。現在、この結果を定量的な結果とするため、確実な定量方法・提示方法を検討しているところであり、最終年度のストレッチの実施前後での評価指標とできるよう準備を進めている。 3)動脈の縦断画像のパノラマ化を進め、現在、画像合成ソフトのプログラミングの検討を進めているところである。近日中に自動的なパノラマ化を進め、動脈壁の伸展具体を評価可能になるものと予想されるところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しい機器を導入し、動脈壁硬化度の評価とストレッチの影響を検討することができた。また、画像処理ソフトを用いた動脈エコー画像のパノラマ化の処置方法の検討も進めており、新型コロナウイルス感染症の影響があって、十分に研究時間を確保できぬ中、概ね、順調に研究を進展させていると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、動脈壁の局所的な硬化度を評価する手法の本格的な確立を進めつつ、ソフトによって画像をパノラマ化する手法を確立することで、ストレッチの刺激が、確立したこれら2つの指標に与える影響を検討する予定である。1年目に確立したストレッチの実施方法と2年目に検討・確立してきた動脈の評価方法を組み合わせ、ストレッチが動脈壁硬化度に与える影響をよりダイレクトに検証していくことを目指すことで研究目的を果たしたいと考えている。
|
Causes of Carryover |
740円の差額が生じているが、1000円未満であり、これは備品を購入した後の端数である。したがって、前倒し請求後、概ね、計画通り執行していることを意味していると考えられる。次年度、消耗品を購入する際、併せて効率的に執行していきたいと考えている。
|