2021 Fiscal Year Annual Research Report
ストレッチで中心動脈を柔らかくできるか -実施方法の新規開発と作用機序の検討-
Project/Area Number |
19K22830
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西脇 雅人 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (10635345)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | 超音波エラストグラフィ / Shear Wave Elastography / 動脈スティフネス / 動脈コンプライアンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2021年度)は、前年度に方法を検討した超音波シェアウェーブエラストグラフィを用いた動脈壁の組織弾性評価方法を用い、中心動脈に対するストレッチ運動が中心動脈壁の組織弾性に与える影響について一過性の実験で検証した。 日常的な運動習慣がない若年の成人男女17名(23±5歳)を対象とし、15分間の座位安静をとる対照条件とストレッチングを行うストレッチ条件の2条件を別日に無作為の順で行った。ストレッチ条件は頸部の屈曲・伸展などを伴う各30秒間のストレッチとした。また、座位安静時およびストレッチング運動中の頭部の位置や動きを慣性センサーを用いて評価した。各条件の前後に超音波シェアウェーブエラストグラフィにて頸動脈壁の組織弾性を計測し、得られた組織の弾性分布画像を画像解析ソフトOsiriXを用いて分析した。その結果、座位安静条件では初期値に対して大きな変化が観察されなかったのに対し、ストレッチ条件では初期値に対して頸部ストレッチング後は数値の低下傾向が観察された。しかしながら、本研究の超音波エラストグラフィのデータに統計学的な有意な差は認められなかった。本研究の結果から、若年者に対する頸部へのストレッチ運動は頸動脈壁の組織弾性を低下させる傾向が認められるものの、有意な変化を引き起こさない可能性が示された。今後、対象者の年代を中年者や高齢者に変えて詳細に検討する必要があると考えられた。 以上の本年度の結果から、動脈に対して部位特異的なストレッチングを実施すると、その部位の動脈スティフネスや動脈コンプライアンスが変化することがこれまでの研究において示唆されているが、特に若年者において、こうした動脈壁への直接的な伸展刺激は動脈壁の組織弾性を変化させず、動脈機能を高めている可能性が推察され、動脈壁の変化は組織弾性の変化よりも部位の血流が変化することに起因している可能性が考えられた。
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