2019 Fiscal Year Research-status Report
ヒト味覚-小腸-脳相関モデルの構築と栄養生理・疾患研究への応用
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19K22988
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
阿久津 英憲 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 生殖医療研究部, 部長 (50347225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩槻 健 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (50332375)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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Keywords | オルガノイド / 小腸 / 味蕾 |
Outline of Annual Research Achievements |
栄養環境が個体生理のみならず現代の疾病動勢にも深く関与している。栄養生理学的研究からの理解が深まっているが、実験動物や動物代替モデルでの試験系にはまだ課題が多い。本研究では、ヒトiPS細胞から生理高機能性を有する疑似臓器(オルガノイド)作製技術を応用することで、食事、栄養の末梢シグナルから中枢の神経回路の活動を解析可能とする生物モデルを具現化する。現代社会の健康をとりまく環境を背景に、食事・栄養が末梢のシグナルから中枢の神経回路を解析するバイオモデルを構築し、味覚-小腸-脳相関モデルの評価系を通すことで、老化や疾患研究の進展へ貢献する。 今年度は、ヒトiPS細胞由来小腸オルガノイドを作製し培養上清での分泌物性状解析を行った。培地上清1mlで複数のタンパク質をELISA解析できる系を構築した。その結果、GLP-1分泌が確認でき、さらにDEFA5のタンパク質レベルでの発現を認めた。DEFA5のタンパク質量はオルガノイド間の差がほとんど認められずバラツキが少なかった。バイオマーカーとしての有用性も示唆された。次年度以降で、味蕾、小腸、脳オルガノイドの統合流体モデル構築を目指し、今年度はさらにごく少量の培地上清を用いて次世代シークエンサーを活用できる質の高いRNAサンプルの取得する技術開発も行った。数百μlの小腸オルガノイド培地上清で質の高いRNAを取得する基盤技術も構築することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小腸オルガノイド培地上清中には小腸が分泌するムチン等が高濃度存在することも確認できた。今後は、より多種の分泌系タンパク質の解析を行う。一方で、炎症等外的刺激での反応性についても検証を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
小腸オルガノイドと味蕾オルガノイドの特性評価を進め、まずは味覚-小腸との反応性に寄与する分子の探索を行っていく。
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Causes of Carryover |
試薬の納期が遅れたため。物品費として使用する。
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Research Products
(15 results)