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2019 Fiscal Year Research-status Report

残響下の時間長知覚が音韻識別に与える影響

Research Project

Project/Area Number 19K23083
Research InstitutionSophia University

Principal Investigator

大澤 恵里  上智大学, 理工学部, 研究員 (40845351)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords言語知覚 / 残響下知覚 / 第二言語知覚 / 時間長知覚
Outline of Annual Research Achievements

研究計画に沿ってデータを収集するため、知覚実験を行った。本研究のテーマは残響下における言語音の聞き取りである。調査に際し、実験室に残響環境(例: 空港など)を再現する必要があり、より実際の音場に近い環境を再現するため、16台のスピーカを用いて残響環境を再現するSound Reproduction System (SRS)があるニュージーランドのオークランド大学との共同研究を開始した。2020年3月に現地に赴き、SRSを用いて異なる響きを持つ4種類の空間を実験室の中に再現することで、それぞれの空間内での言語音の聞き取りを比較するデータを収集することができた。参加者は日本語母語話者5名と日本語の非母語話者(それぞれ英語、中国語、韓国語、タイ語の母語話者)10名である。非母語話者に関しては、日本語学習者(もしくは学習経験者)であった。オークランド大学との共同研究はデータ収集のためだけでなく、残響環境を再現する技術を学ぶためにも意義深いものである。今後日本での所属先(上智大学)にも同様のシステムを導入する意向があるため、システムに関する情報収集のためにも重要である。
2019年12月にアメリカ合衆国のサンディエゴで行われたAcoustical Society of Americaの研究発表会に参加し、Speech Communicationの部門で研究発表を行った。Speech Communicationの部門は主に言語の知覚や産出に関する発表を扱う部門だが、言語学や音声学の研究者だけでなく、音響学やエンジニアリングを専門にしている研究者も発表者や聴取者に多いため、様々な視点からのフィードバックを得ることができた。本研究も音声学や音響学などの複数の学問を土台としているため、本研究発表会で得られたフィードバックを基に研究計画や実験デザインの見直しをすることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、2019年度中にデータの収集を行うことができたため、研究計画に沿って進んでいると判断することができる。収集したデータは、当初の実験デザインの通り、異なる残響を持つ複数(実施した実験では4種類)の空間での言語音知覚を調査したものであるため、空間ごとの比較が可能なデータになっている。また、残響下知覚とともに非母語の言語の知覚も研究テーマであるため、日本語母語話者と非母語話者のデータが収集できたこともデザイン通りに実験が実施できたと判断できる点である。収集したデータは今後の(2020年度分の)研究を進めていくにあたり、実験の問題点等を見直すきっかけにもなった。
また、当初の予定通り海外での研究発表会に参加できたことも本研究を進める上で重要であった。研究期間の中間点に位置する時期にさまざまな分野の研究者からフィードバックをもらえたことで、研究の経過を見直すことができた。

Strategy for Future Research Activity

2020年度は、前年度にオークランド大学で収集したデータを学会、あるいは論文で発表する。論文であれば6月ごろの投稿を目標に分析と執筆を行っていく予定である。
その後、現在の所属先の研究室においてSound Reproduction System (SRS)の構築に着手する。SRSの構築には機材の位置関係が重要であるため、実験室の測定から開始し、機材の設置位置を決定していく。その後、実際に機材を設置し、ソフトウェアを用いて動作確認を行いながら実験に使用できる段階へと調整を行っていく予定である。
2020年度においてもデータ収集を行う予定で、実験の実施時期は2021年の2、3月を予定している。実験の実施場所は再びオークランド大学を予定しているが、SRS構築の進み具合や実験対象者によって変更する場合がある。実験を行うまでの期間は実験のための準備期間とし、実験の刺激音の選定や刺激音としての適性検査を行う予定である。

Causes of Carryover

当初の計画では、2019年度に行う実験の結果を受けて、2020年度にも異なる実験を行う予定であったため、次年度使用額が生じている。さらに、既に得られたデータの分析や発表を行うためにも2020年度分の予算を組んだ。
次年度使用額は実験準備や実験実施費(実験謝礼費等)に使用する予定である。実験は再びオークランド大学で行う予定なので、その際の渡航費にも充てる予定である。
さらに、オークランド大学にあるSound Reproduction System (SRS)を現在の所属先である研究室に構築することを考えており、現在所有している機材の他に、不足している機材等は購入する予定である。具体的には、機材をつなぐコードやシステムを起動させるためのソフトウェアである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2019 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] オークランド大学(ニュージーランド)

    • Country Name
      NEW ZEALAND
    • Counterpart Institution
      オークランド大学
  • [Presentation] Contextual effects on the distinction of Japanese length contrasts in reverberation2019

    • Author(s)
      Eri Osawa
    • Organizer
      178th Meeting Acoustical Society of America
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-01-27  

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