2021 Fiscal Year Research-status Report
The Image Transformation of Indigenous Oaxacan Migrants in the United States: An Anthropological Case Study of the Festivals Held by Oaxacan Hometown Communities
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19K23138
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山越 英嗣 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00843822)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | メキシコ先住民 / 移民 / 同郷者会 / ロサンゼルス / 異種混淆 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、ロサンゼルスでの現地調査を計画していたが、依然として現地での新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっているため、渡航は断念せざるを得なかった。 代わりにオンラインによるインタビュー調査を実施した。対象は、ロサンゼルスのオアハカ移民ダンスグループ「ウアシャカック」主催者の女性である。彼女によれば、オアハカ移民の同郷者会のひとつであるORO(オアハカ地方組織)によるゲラゲッツァ祭はオンライン開催となり、彼女たちのダンスグループの活動も練習を中断せざるを得なくなった。しかし、彼女から過去のダンスの練習の様子について聞き取りを行った結果、一時期、近隣の韓国人コミュニティからも参加者があったという。そして、韓国に出自を持つ者たちも交えてオアハカのダンスの練習が行われた。このことを鑑みても、あらためてゲラゲッツァ祭がオアハカ移民のためだけの祝祭ではなく、ロサンゼルスに居住する他のエスニック・マイノリティを内包する性質を有することが浮き彫りとなった。今後はウアシャカックのダンスメンバーや、韓国人の参加者などにも聞き取りを行うことで、どのような交流がおこなわれてきたのかを明らかにしたいと考えている。ただ、残念ながらウアシャカックのダンスメンバーたちは、過去に練習に参加した韓国に出自をもつ者たちとは現在、交流がなく、連絡先もわからないとのことであった。今後はSNSなどを通じて、ウアシャカックと韓国系の人々のつながりを探求したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究遂行のためには、米国での現地調査による聞き取りが必要不可欠であるが、昨今のコロナウィルス感染症の現地における流行は依然として高い水準にあり、渡航が難しい。申請者に基礎疾患(喘息)があるため、今後も調査は慎重に行いたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現地の感染症の状況が落ち着きを見せるまでは、オンラインによるインタビュー調査やSNS(facebook)を対象とした調査に切り替える。また、次年度はこれまでに得られたデータを精査し論文の作成を行うことを計画している。
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Causes of Carryover |
本研究計画では、予算の大部分をロサンゼルスでの現地調査の旅費に充てる予定であった。しかしながら、新型コロナウィルス感染症の現地での流行により、申請者のみならず、インタビューのインフォーマントにもリスクをもたらすことが予想されるため、断念せざるを得ない状況にある。次年度使用額が生じたのは以上の理由のためである。 今後の使用計画としては、現段階では次の二点を考えている。第一に、感染リスクが軽減された際には現地調査を再開することを予定しており、その渡航費用や調査協力者への謝金に充てたい。第二に、これまでの調査結果をまとめ、英語またはスペイン語で論文を発表することを検討しており、そのさいの翻訳の費用に充てたい。
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