2022 Fiscal Year Research-status Report
The Image Transformation of Indigenous Oaxacan Migrants in the United States: An Anthropological Case Study of the Festivals Held by Oaxacan Hometown Communities
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19K23138
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Research Institution | Tsuru University |
Principal Investigator |
山越 英嗣 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00843822)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | メキシコ移民 / ゲラゲッツァ / 同郷会 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルス感染症の影響により、現地調査を実施することはできなかった。しかしながら、オアハカ人同郷会OROの代表を務めるマウロ・エルナンデス氏や、ダンスグループ、ウアシャカクの代表、グラシエラ・ロペスとのオンラインによるインタビューを行うことができた(2022年9月および10月に実施)。かれらによれば、OROのゲラゲッツァ祭は2022年から再び対面での開催となった。しかし、新型コロナウィルスの拡大や、カリフォルニアの物価高騰、治安の悪化は、かれらの生活にも大きな変化をもたらした。とくに近年、上記の理由から、オアハカ移民はカリフォルニアへの移住を避ける傾向にある。また、ロサンゼルスにおいて、オアハカ移民は同郷出身者で集住することが多く、日常生活でかれらが出会う機会は限られている。そのようななかで、OROが主催するゲラゲッツァ祭は、かれらが一堂に会するための貴重な機会を提供しているといえる。先行研究では、オアハカ(メキシコ)移民は一枚岩として描かれることも多かったが、実際には、ロサンゼルスで、移住前にオアハカの村落に暮らしていたころには出会うことのなかった地域のオアハカ出身者と出会うことも多い。そこでは、たとえばオアハカの村落出身者と都市出身者のあいだでの差別が生じることもある。そのため、OROのゲラゲッツァ祭は、ロサンゼルスに居住するオアハカ移民同士での軋轢や分断をも可視化する場であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査を通じた情報収集はできなかったが、近年、刊行されたメキシコ人同郷会についての文献整理や、オンラインでのインタビューを行うことができたため、本評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、オアハカ移民たちがUso y Costumbre、あるいはゲラゲッツァと呼ばれる故郷の慣習をロサンゼルスの生活にどのように援用しているのかを調査する必要がある。 また、メキシコ・オアハカ州の移民の送出地域の調査を行い、行き先に関してどのような情報が出回っており、いかにして行き先を決定しているのかを検証することも重要と考える。
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Causes of Carryover |
調査地でのコロナウィルス感染症の感染状況が改善しておらず、また申請者が基礎疾患をもっているため、現地調査の実施を控えた。2022年度はオンラインでの調査に切り替えた。余剰分は次年度以降の現地調査費用に充てる。
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