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2020 Fiscal Year Research-status Report

異質的家計のマクロ経済モデルを用いた家計債務と政策効果の分析

Research Project

Project/Area Number 19K23199
Research InstitutionAoyama Gakuin University

Principal Investigator

脇 雄一郎  青山学院大学, 経済学部, 准教授 (20845101)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2022-03-31
Keywordsマクロ経済学 / 異質的家計 / ニュー・ケインジアン・モデル
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,家計の異質性、家計債務、産業連関、そして労働市場の摩擦を含めた,ニュー・ケインジアン・モデルと呼ばれるマクロ経済モデルによる政策分析を研究目標としている.

2020年度においては主に,産業連関構造の入った,2タイプの家計が存在するニュー・ケインジアン・モデル(Two-agent New Keynesian model, 通称TANKモデル)についての研究を進めた.通常,TANKモデルの経済には,自由に貸し借りができるリカード家計と,貸し借りができないHand-to-Mouth家計という2つのタイプの家計が存在する.このモデルは,家計債務については単純な構造しか分析できないが,その一方で,より複雑なモデルで生じる現象を直観的に理解するための近似モデルとして有用である.

研究代表者は,このTANKモデルに単純な産業連関構造を導入する形で拡張し,分析をおこなった.すなわち,経済には様々な産業が存在し,2つのタイプの家計はそれぞれ異なるセクターから所得を受け取る.また,それぞれのタイプの家計の消費がどのように構成されるか(つまりどのセクターで生産された消費財をどれだけ消費するか)が,2つのタイプの家計の間で異なっているケースを考えた.この産業連関と所得分配の構造,および消費の構成の異質性によって,2タイプの家計の間に,標準モデルでは生じない形の相互作用が生じることになる.この相互作用によって,マクロ経済政策の効果も影響を受けるというのが主要な結果として導かれた.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年末までに調達予定であったワークステーションについて,納品スケジュールに遅れが生じ,2021年1月末にようやく調達できた.環境設定などは完了しているが,データ処理およびデータとモデルのマッチングの遅れが生じている.

Strategy for Future Research Activity

2019・2020年度の研究結果も含めて論文の形にまとめ,トップの学術誌に投稿するための準備を進める.また,既存のコンピューター・プログラムを,モデルを大規模化するために拡張した上で,シミュレーションを行う.

当初の研究計画の中で,クイーンズランド大学への訪問を可能性として挙げたが,2020年度同様,コロナ禍の影響で,2021年度中のオーストラリアへの渡航は困難である可能性がある.実際の訪問ではなく,研究論文の草稿を送る・リモートでセミナー発表をさせてもらうなどしてフィードバックを得る予定である.

Causes of Carryover

コロナ禍の影響で,旅費を要する学会・セミナー発表が生じなかったため,旅費が未使用となっている.旅費については,次年度の学会・セミナー発表に用いる予定である.

「その他」については,学術誌に投稿する際の投稿料および英文校閲の支出として使用する予定である.

URL: 

Published: 2021-12-27  

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