2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K23235
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 たくみ 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 准教授(任期付) (30843982)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | オンライン・コミュニティ / オンライン協働 / ネットワーク / ヘルスケア / 新しい組織化形態 / 実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、デジタル技術の発展により生まれた新しい組織化の一形態であるオンライン・コミュニティに着目し、メンバーのオンライン上の協働がいかに組織化され、各メンバーの(オフラインでの)実務にどういったインパクトを与えるかを明らかにすることを目的としている。本目的をふまえ、初年度である2019年度は主に2つの点について研究成果を残し、次年度の研究へとつなげた。 1点目は、対象となるオンライン・コミュニティの全コミュニケーション・データログおよび参加メンバーの属性データを入手し、それらデータに対してネットワーク分析手法(Stochastic Actor-Oriented Model、以下SAOM)を用いた分析を実施した。これまでの先行研究では、コミュニティ上のメンバー間協働を規定する主要な2要因であるHomophily(個人属性の類似性)とSocial Influence(他者との交流による影響)を切り分けて分析するに至っていなかったところ、本研究ではSAOMを活用することでそれを可能とし、オンライン・コミュニティ上の協働メカニズム理解を進める新たな貢献を行った。さらに本分析結果を学術ワークショップにて発表し、投稿論文へとクオリティを高めるための有益なフィードバックを得た。 2点目は、オンライン・コミュニティ上のインタラクションがいかにメンバーのオフライン実務へと影響しているかを理解するために、広範なインタビュー調査を実施した。その全記録は文字起こしを経て分析可能なデータとなり、それらをもとに定性分析を開始した。 以上の2点が本研究初年度の主要な成果であり、これら成果は来年度の研究遂行の重要な基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2019年度中にネットワーク分析手法(Stochastic Actor-Oriented Model)を用いたオンライン協働パターンの分析を遂行。その分析結果を学術ワークショップにて発表し、学術雑誌への投稿に向けた多くのフィードバックを得られた。加えて、2019年度中にインタビュー調査の分析にも着手し、来年度に研究を公表する足がかりを築いた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画において記述した2つのテーマに関して、テーマ1は既に分析まで終了しているため、投稿論文として完成度を高め、本年度中に学会投稿や学術誌への投稿を目指す。テーマ2に関しては2019年度に当初の予定通りインタビューデータ収集を完了したため、今年度はデータの分析および投稿論文化を進める。
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Causes of Carryover |
当初想定していた海外出張(研究分野の第一人者との討議)が翌年度へとずれこんだため。加えて、当初想定よりもインタビュー文字起こしにかかる費用が軽減されたため。
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Remarks |
本研究内容をStockholm School of Economicsと合同で実施した国際研究ワークショップにて発表(発表者:清水たくみ、発表題目:Sustaining Member Interactions in Professional Online Communities、2019年5月、早稲田大学)
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