2019 Fiscal Year Research-status Report
中学校教師が実践できる発達障害カウンセリングマニュアルの開発
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19K23285
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
枡 千晶 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (20847008)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 発達障害 / 中学校 / 教育相談 / 特別支援教育 / 発達障害カウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校通常学級に在籍する発達障害(知的障害含む)やその傾向のある生徒は増加傾向にある。枡・橋本(2018)は、児童期の知的障害を含む発達障害児に関する発達相談や教育相談を発達障害カウンセリングと総称し、相談実践者に求められる知識やスキルについて検討した結果、発達心理学、精神医学、特別支援教育、子育て支援、学校制度と障害福祉といった広範囲な知識・情報と相談を行うスキルが求められていたことを報告している。中学生に関する発達障害カウンセリングにおいても、相談実践者には上述した知識に加え、思春期の発達課題等もふまえた高度な専門性が求められていることが推測され、大学での教員養成段階から学びを深めていく必要がある。一方で、相談を行う上で具体的に求められる知識やスキル、態度を含めたコンピテンシーについて、データに基づいて示した研究は行われていない。そこで、本研究は、中学校通常学級に在籍する発達障害やその傾向のある生徒に関する教育相談について、中学校教師や教員免許取得を目指す学生が学びを深める『特別支援教育・教育相談における中学校教師が実践できる発達障害カウンセリングマニュアル』を開発することを目的としている。令和元年度は、教員免許取得を目指す大学生と中学校で教育相談を実施している教師・スクールカウンセラーへのインタビュー調査やアンケート調査を行った。大学生を対象とした調査では、自身の中学時代を振り返り、自分がしてほしかったことや、相談しやすかった・話しやすかった教師の特徴、また自身が教師になって教育相談を行う立場になる前に知りたいことなどについて回答を求めた。教師・スクールカウンセラーへのインタビュー調査では、発達障害やその傾向のある生徒本人や保護者との相談活動において、必要と感じる知識やスキル、態度などについて聞き取りを行った。 現在、収集したデータを整理・分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、インタビュー調査やアンケート調査によるデータを収集し、分析を進めている。計画したスケジュールに沿って研究を継続する見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
『特別支援教育・教育相談における中学校教師が実践できる発達障害カウンセリングマニュアル』の開発・検討を行っていく。令和元年度に得られたデータの分析・検討を行うとともに、追加調査を実施して結果を取りまとめ、マニュアルに反映する。また、ワークショップを実施し、意見交換を行い、マニュアルの有用性について検討する。 完成したマニュアルは、中学校や大学の授業内で活用しやすいよう冊子にして配布する。
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Causes of Carryover |
・当初参加予定だった学会がコロナウイルスの影響により中止となったため、次年度使用額が生じた。 (使用計画) ・次年度使用額は令和2年度請求費と合わせて旅費や消耗品費として使用する計画である。
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Research Products
(7 results)