2020 Fiscal Year Annual Research Report
中学校教師が実践できる発達障害カウンセリングマニュアルの開発
Project/Area Number |
19K23285
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
枡 千晶 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (20847008)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 中学生 / 発達障害 / 教育相談 / 教師 / 特別支援教育 / 発達障害カウンセリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,中学校通常学級に在籍する発達障害やその傾向のある生徒に関する教育相談(以下,発達障害カウンセリング)において求められるコンピテンシーについて検討し,中学校教師や中学校の教員免許取得を目指す学生が現場の実態やニーズについて理解を深め,どのような知識やスキルが求められているのか学ぶことのできる『特別支援教育・教育相談における中学校教師が実践できる発達障害カウンセリングマニュアル』を作成することである。 令和2年度は①大学生を対象とした中学時代に関する質問紙調査と②教師・心理職を対象としたインタビュー調査の結果について検討を行い,その一部を論文にまとめた。①質問紙調査の結果,教師の個人因子や普段の教師の言動,態度・姿勢,実際の対応,自身も含めた生徒と教師との関係性等から,相談しても安心安全であることや教師への信頼を感じられることが教師への相談のしやすさに繋がる可能性が示された。回答者の約7割が中学時代に不安や悩みが「あった」と回答していたが,そのうち実際に誰かに相談をしたのは6割程で,残りの約4割は悩みや不安はあったものの誰かに相談をするという選択は取らなかったと回答した。また,相談しやすい・話しやすい指導者や専門家がいたとしても,それが実際の相談行動に結びつくとは限らないことが示唆された。②インタビュー調査では,発達障害カウンセリングにおいて求められる知識,スキル,態度と,教師による相談実践について検討を行った。それらの結果をふまえ,実際に中学校通常学級に在籍する発達障害やその傾向のある生徒に関する相談実践経験のある教師とともにマニュアル作成に向けた検討会を実施した。期間内にマニュアルの完成・配布には至らなかったが,中学校教師による発達障害カウンセリングの実践において必要なコンピテンシーについて,基盤となる検討ができたと考える。
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Research Products
(2 results)