2019 Fiscal Year Research-status Report
多バンド観測によるIa型超新星の親星及び星周環境の研究
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19K23461
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 美穂 京都大学, 理学研究科, 研究員 (10847750)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | Ia型超新星 / 親星 / 超新星爆発 / 光学赤外線観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、Ia型超新星の親星、爆発モデルに制限を与えることを目的として観測的研究を行っている。爆発直後からのIa型超新星の多バンド観測からIa型超新星の未解決問題に迫る。 私は、主に京都大学3.8mせいめい望遠鏡と広島大学1.5mかなた望遠鏡を用いて、近傍銀河に出現するIa型超新星について可視近赤外線観測を実施した。これによってデータの欠損がなく、精度の良い光度変化を捉えることができた。さらに、光赤外線天文学大学間連携での観測依頼を行い、測光データを取得した。本年度においては、2例の爆発直後のIa型超新星の可視近赤外線観測に成功した。得られた測光データの解析を行い、長期に亘る可視近赤外線での光度変化を捉えることができた。初期の光度変化についてモデルと比較を行うことによって親星の半径の制限を行った。また、分光データについても解析を行い、これらのデータに見られる吸収線の青方偏移量を調べた。観測的な特徴から各々のIa型超新星のサブクラスを推定した。これらの天体について爆発直後からの観測例は限られており、本研究によって良いデータサンプルを得ることができた。 さらに爆発エネルギーなどの爆発パラメータを推定を行った。これらの観測とモデルの予測と比較することで、爆発モデルの制限を行った。これらの成果については論文を投稿した(Kawabata et al. 2020)。 引き続き爆発直後のIa型超新星の系統的な観測サンプルを増やし、さらなる親星や爆発モデルの制限を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
爆発直後からのIa型超新星の可視近赤外線観測を2天体ほど実施することができた。また、解析環境を整備し、得られたデータを速やかに解析することができた。そのうち一天体については親星や爆発モデルの制限をつけることができ、論文を執筆した(Kawabata et al. 2020)。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続ぎ、爆発初期からのIa型超新星のサンプルを収集する。様々なサブクラスに属するサンプルを増やすことで、Ia型超新星全体について未解決問題の解決の手がかりを得る。 昨年度得られた天体については、引きつづき観測を行い、後期からの観測から親星等への制限をつけることができるか試みる。初期に得られた結果と合わせてさらなる知見を得ることができると考える。
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Causes of Carryover |
新たに解析環境を整えるための物品を購入するため。解析用PCとデータ保存のためのハードディスクなどの購入を行う。
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