2019 Fiscal Year Research-status Report
CD63をターゲットとした食道扁平上皮癌に対する新規治療法の探索
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19K23880
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松本 泰典 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80738831)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | CD63 / エクソソーム / HER2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト食道扁平上皮癌(ESCC)細胞株10種におけるCD63発現の評価を行い、TE2, TE15を高発現株として同定した。siRNAによるCD63のknockdownを行い、proliferation assayにより増殖能の低下を確認した。migration assay, invasion assayに関しては、再現性・信頼性が不十分であり、継続して解析を要する。また、遺伝子発現の変化をmicroarrayおよびgene set enrichment analysis(GSEA)を用いて評価し、ERBB経路を解析のターゲット候補として抽出した。ESCCにおけるERBB2(HER2)発現の評価のため、ESCC切除標本の免疫染色(HER2 n=127, CD63 n=86)を施行し、臨床病理学的因子(年齢・性・腫瘍のステージ・脈管侵襲・分化度・生存期間)に関して検討した。CD63に関しては高発現群において予後不良である結果を得て、CD63, HER2の関連および統合解析に関して今後すすめていく予定である。今後のHER2検討に際しての研究基盤として、患者組織由来腫瘍マウスモデル(patient derived xenograft:PDX)の作成・解析に係る倫理審査を受け、HER2陽性消化管癌のPDXモデルの作成を開始した。CD63とエクソソームの関連に関しても継続して解析を行なっており、腫瘍由来エクソソームの癌細胞自体におよぼす変化をGSEAで評価し、増殖能の低下、遊走能の上昇、細胞周期の抑制という表現型に矛盾ない結果を得た。この結果は英文誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD63とERBB経路、特にHER2の関連に関しては、今年度に計画していた表現型と遺伝子発現変化の解析が未だ不十分である。その一方で、臨床検体を用いた免疫染色やPCRは数を増やして施行できており、詳細な臨床病理学的統合解析の素地を有している。また、in vivo 解析に独自性を加えるべくPDXモデルの樹立に関する倫理審査、実際の作成も確認しており本研究の進捗に寄与している。よって、現時点では研究計画は概ね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
CD63とERBB経路に関する検討を、臨床病理学的検討およびin vivo解析によりすすめる。ターゲットとするカスケードに関して、siRNAによるmRNA, タンパク発現変化を個別に解析する。CD63高発現腫瘍・HER2高発現腫瘍に対する治療介入で起こる変化をin vivo およびin vitro両面から解析していく。
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