2020 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性腎症の治療を目指したヒト多能性幹細胞から糸球体内皮細胞への誘導法の開発
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19K23933
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊原 敬文 東北大学, 医工学研究科, 特任助教 (60594182)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 内皮細胞 / iPS細胞 / 糸球体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は分化誘導した糸球体内皮細胞様細胞の評価を行う予定であった。この目的のために安定した分化誘導法の確立は不可欠であり、共同研究先のCowan labとも情報交換を行い、中胚葉細胞から内皮細胞に分化誘導する途中のどのタイミング(分化誘導日数)でどれくらいの濃度の因子Xを追加すればよいかの条件設定を引き続き検討した。Day 5などの早いタイミングでは遺伝子レベルで見てもDKK2の発現はあまり上昇せず、因子追加のタイミングは内皮細胞への分化系の中でDay 7以降、2回目の継代前など比較的遅いタイミングがやはり良いと考えられた。濃度は少なくとも予想される範囲で4通り以上の濃度を検討した。また複数の因子を合わせることでDKK2発現効率の上昇が認められるかどうかの検討も改めて東北大学で行った。その結果、候補因子のうち二つの候補因子は相乗効果があることが明らかとなった。さらに誘導した細胞に関しては、コーティング剤の検討も行い、Laminin 512を使用した培養がDKK2の誘導効率を上昇させる可能性が考えられた。誘導した細胞の評価は形態的な評価をまず行ったが、肉眼的には明らかな違いは認められず、さらなる電顕での評価やストレス負荷での細胞の性質を検討する実験については実験準備は行ったものの、コロナウイルスの感染拡大による研究活動制限の影響もあり十分な違いを見出すまでは実験を進めることができなかった。今回の知見を元にさらに糸球体内皮細胞の誘導方法確立を目指して研究を発展させる予定である。
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Research Products
(11 results)