2021 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植と機械灌流法を応用した革新的な転移性肝癌に対する体外治療法の開発
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19K24020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤好 真人 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (90844720)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 肝移植 / 体外治療 / 転移性肝癌 / 機械灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、転移性肝癌患者における自己肝移植を応用した肝臓の体外治療法を再現する小動物モデルとして、ドナーラットに大腸癌細胞株を脾臓注射し、肝腫瘍を形成させた後、その肝臓を摘出しレシピエントラットに移植する実験系を確立した。このモデルには、体外癌治療の効果判定を可能とするため、MRIを用いた腫瘍個数、腫瘍サイズの定量的評価を組み込んだ。ドナーラットの脾臓に大腸癌細胞株懸濁液を投与し、ドナーラットの体内で経時的にMRIによる肝腫瘍の定量的評価を行い、担癌肝臓グラフトを移植した後に、レシピエントラットの体内で同様に腫瘍の定量的評価を継続した。担癌グラフト移植後のレシピエントラットは全例生存が得られ、MRIによる腫瘍の定量的評価も可能であった。続いて、転移性肝癌に対する体外治療を再現すべく、摘出後のドナー肝臓に対する2時間の冷温機械灌流の組み込みを行った。摘出後、門脈にカフを装着し、灌流装置に接続し、冷却した灌流液に浸漬しながら、ドナー肝臓を経門脈的に冷却した灌流液で灌流した。灌流液の排液は下大静脈からの自然流出とした。また、冷温機械灌流下での局所的治療として、対外肝切除および体外焼灼も行った。ドナーマウス体内での摘出前MRIで検出した肝腫瘍を熱メスを用いて切除もしくは焼灼を行った後レシピエントラットに移植した。この冷温機械灌流下体外切除・焼灼モデルにおいても移植後出血が制御されており、全例で生存が得られた。
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